じゃん拳(読み)ジャンケン

デジタル大辞泉 「じゃん拳」の意味・読み・例文・類語

じゃん‐けん

[名](スル)片手で、石(ぐう)・紙(ぱあ)・はさみ(ちょき)のいずれかの形を同時に出し合って勝負を決めること。また、その遊び。石ははさみに、はさみは紙に、紙は石に勝つ。石拳いしけん。じゃんけんぽん。→けん2
[補説]「両拳」の中国語音からともいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「じゃん拳」の意味・わかりやすい解説

じゃん拳 (じゃんけん)

拳の一種。〈石拳〉ともいう。中国から伝わった本拳から生まれたものと思われる。片手の5指を使った石(握ったもの),紙(5指を全部開いたもの),はさみ(人差指中指または親指をのばしたもの)の三つで勝負を争う子どもの遊戯。石をグウ,紙をパラリあるいはパア,はさみをチョキまたはポキといって,石ははさみに勝ち,紙は石に勝ち,はさみは紙に勝つ。方法は1度で勝負を決するもの,3度つづけてする〈三じゃん〉などがある。

 イタリアにはモーラmorraといって同様の遊びがある。これも古く中国からペルシアイラン)に渡り,ペルシアからまたイタリアに伝わったものといわれている。やり方は右手の親指,人差指と小指の3本を使って2人でやるのを通則とし,親と子にわかれて,親は3回,子は5回つづけて勝つことを条件としている。その方法は双方掛声と同時に,3本の指のうちいずれかの1本を出し,双方同じ指だったときは親の勝となり,ちがった指の場合には子の勝となる。勝ったときは〈イチー〉と掛声をして,ポンとこぶしをふってから,さらに随意の指を出す。つづけて勝てば〈ニー〉と叫ぶ。こうして親は3回,子は5回つづけて勝てば勝者となる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「じゃん拳」の意味・わかりやすい解説

じゃん拳
じゃんけん

石拳ともいう。片手の5指で,石,紙,はさみを形づくって勝負を争う子供の遊戯。中国から伝わった本拳から生れたものといわれる。1回で勝負を決するもの,3度続けてやる (三じゃん) ものなどがある。

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世界大百科事典(旧版)内のじゃん拳の言及

【鬼ごっこ】より

…古くから行われてきた子どもの遊び。〈おにごっこ〉〈おにあそび〉が一般的な名称であり,この系列の遊びに対する総称にもなっている。しかし時代,地方によりさまざまな呼称がある。《物類称呼》によれば〈江戸にて鬼わたしと云,京にてつかまへぼと云,大坂にてむかへぼと云,東国及出羽辺又肥の長崎にて鬼ごとと云,奥の仙台にて鬼々と云,津軽にておくりごと云,常陸にて鬼のさらと云〉とあり,各地方の種々の別称を挙げている。…

【拳】より

…両人相対し指,手,腕や体勢で形姿を示し,それによって勝敗を決める遊び。拳の種類によってそれぞれの取り決めがある。拳戯は中国からの渡来遊戯とするのが通説で,中国では拇戦,拇陣,中指之戯などと呼ばれ,酒宴の座興として行われた。日本では拳打あるいは○○拳と呼ばれ,江戸期に長崎から京坂,そして江戸へと伝えられた。現在では,拳といえば〈じゃんけん〉を想起するのが一般的だが,その他にもさまざまな拳がある。しかし,それらを遊事の内容から大別すると,数拳と三すくみ拳の2種類に分けることができる。…

※「じゃん拳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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