ジュバイル(英語表記)al-Jubayl

改訂新版 世界大百科事典 「ジュバイル」の意味・わかりやすい解説

ジュバイル
al-Jubayl

サウジアラビア東部のペルシア湾岸の港町。人口22万2544(2004)。古くはアイナイン‘Aynaynの名で知られた。アラビア半島内陸部への入口の港として重要な位置を占めたが,とくに,サウジアラビアとアメリカの石油会社アラムコARAMCO)の提携協力が成立(1933)後,その技術団が最初の本拠をおいた。今日は,西部の紅海岸の港町ヤンボーとともに重点工業地帯に指定され,石油化学製鉄・圧延工場,メタノール肥料など輸出向け生産のプロジェクトを進めている。アラムコの天然ガス収集施設はすでに稼働中である。計画推進のため王立委員会が設立されている。
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ジュバイル
Jubayl

地中海岸にあるレバノンの港町。人口2000余。トリポリの南,ベイルートの北40km足らずの所に位置する。古代にはビュブロスとして知られ,フェニキア時代,ならびにギリシア・ローマ時代の町の跡が発掘されている。11世紀の旅行家ナーシル・ホスローは,三角形の城壁に囲まれ,ナツメヤシにおおわれた町の姿を伝えている。十字軍時代は双方攻防の的となり,城塞には十字軍とムスリム軍の双方が利用・改修した跡が残っている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュバイル」の意味・わかりやすい解説

ジュバイル
Jubayl

古代のフェニキアの都市ビブロスであり,旧約聖書中のゲバル。レバノン西部,ベイルート県の港で,おそらく現在まで居住が続けられている世界最古の町。エジプト産パピルスはギリシア語でビュブロスとも呼ばれたが,これはビブロスからエーゲ海地方に輸出されていたことによる。聖書の英語名バイブルなどもこれに由来している。ベイルートの北北東 27kmに位置し,現在は人口数千の小さな漁港にすぎない。現在の名称ジュバイルは,聖書のゲバルからきたものである。前 8000年頃の新石器時代の遺跡から,フェニキア時代を経て,十字軍の城塞まで各時代の遺跡が残っており,なかでもフェニキア時代の遺物は,前 10世紀頃の碑文や文書を含めて最もすぐれたものとされている。

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世界大百科事典(旧版)内のジュバイルの言及

【ビュブロス】より

…レバノン西部,ベイルートの北約27kmにある古代都市遺跡。現在名はジュバイル。旧約聖書ではゲバルGebal,古代エジプト史料ではクブナ,アッシリア史料ではグブラと呼ばれた。…

※「ジュバイル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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