スイスとフランスにまたがる、ジュラ山脈を含む地域。スイスでは1978年の国民投票で23番目の州として独立を決定(1979年1月発足)したジュラ州をはじめ、ボー、ヌーシャテル、ベルン、ゾーロトゥルン、バーゼル、アールガウ、シャフハウゼンの諸州にまたがり、フランスではジュラ県のほかにアン、ドゥーの両県が含まれる。年降水量は1500ミリメートル以上で、高所では2000ミリメートルを超すことから、ジュラの語源の示すように「森林の多い山地」で、低所にはシデ・ナラ林、その上にはブナ・モミ林がみられる。1400~1500メートルの森林限界より上方の草地は夏の放牧地である。谷底を除けば農業の中心は牧畜である。泥灰質に富む石灰岩の部分は農耕地と刈草牧草地、透水性のある石灰岩の部分は放牧地、石灰岩の固い突出部は森林となり、土地利用と土壌の性質の間には密接な関係がある。これと並び、この地方の原料と水力電気に依存して、製材・製紙、セメント、製鉄などの工場が立地し、金属工業を基盤に早くから武器、塔時計の精密機械がおこった伝統が、現在の時計工業へと引き継がれている。この地方はスイスの時計工業の中心地で、ラ・ショー・ド・フォン、ビール、ル・ロクル、ヌーシャテルなどが重要な生産地である。
なお1979年に発足したスイスのジュラ州はフランス語圏で、1815年のウィーン会議以来ドイツ語圏のベルン州に編入されていた。1960~70年代に激しい分離運動が行われ、78年の投票で州としての独立が決定したが、これはカトリック系住民の多い北部地方だけで、プロテスタント系の多い南部地方はベルン州内にとどまった。
[前島郁雄]
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…右手に桜の樹皮やプラスチックの撥(ばち)を持って奏する。 楽器のサイズにより呼称が異なり,大型のものはディワンdivan,中型はバーラマbağlama,小型はジュラcuraと呼ぶ。おもに民謡や民俗舞踊の伴奏楽器として広く愛好され,特にアーシュクâşikとかオザンozanと呼ばれる吟遊詩人たちが叙事的歌の伴奏に使う。…
…19世紀末,西アフリカ内陸部に広大なイスラム帝国を建設し,フランスの植民地侵略に執拗な抵抗を繰り返した植民地化初期の民族的英雄。1830年ころ,農耕民化したジュラ(マリンケ系のイスラム化した商人グループ)の息子として,現ギニアのコニヤン地方で生まれた。当時の西アフリカ内陸部では,フランスをはじめヨーロッパ列強の,沿岸から内陸部への進出が始まり,各地には群雄が割拠して相争い,戦乱が絶え間なく続いていた。…
※「ジュラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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