改訂新版 世界大百科事典 「ジョンストン」の意味・わかりやすい解説
ジョンストン
Harry Hamilton Johnston
生没年:1858-1927
イギリスのアフリカ植民地行政官で,探検家,言語学者,著述家としても有名。裕福な保険会社重役の子としてロンドンに生まれ,21歳で絵を描くためチュニスを訪れて以来,アフリカの自然と文化に興味を抱き,南アンゴラ,ザイール(現,コンゴ民主共和国),タンザニアなどを旅行した。1885年外務省に請われてニジェール・デルタおよびカメルーンの副領事に就任してから植民地行政官としての道を歩み,その後モザンビーク,マラウィ,ウガンダなどで活動した。その限りで彼は帝国主義期イギリス政府の利害を代表する人物となったが,晩年は研究と著作の生活に戻り,《バントゥー語とセミ・バントゥー語の比較研究》や自伝,小説を含む幾多の書物を公にした。
執筆者:星 昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報