ジレ(読み)じれ(英語表記)gilet フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジレ」の意味・わかりやすい解説

ジレ
じれ
gilet フランス語

袖(そで)のない、ウエスト丈の装飾用胴衣。または背広と対のチョッキのこと。英語ではウエストコートまたはベストという。ルイ16世(在位1774~92)のころ、ヨーロッパ中の男子の公服であったアビ・ア・ラ・フランセーズhabit à la françaiseの下に着用されていた丈の長いベストのかわりに、イギリスから伝わったもの。丈はウエストまで、前身頃(みごろ)には美しい色柄の布地を用いたが、後ろ身頃には安価な別布を用いるのが普通であった。簡易な衣服ながら、服装に変化と彩りを添え、個性的な趣向を凝らすことができるものとして重要視され、貴族から庶民に至るまで普及した。

 19世紀なかばに男子の背広が確立してからも、その下に着るチョッキとして残ったが、服装のアクセント的要素は薄れて全体的統一の美が重んじられ、共布が用いられた。19世紀より女性の服装にも取り入れられ、スーツの下にブラウスシャツがわりに着用される。

[田村芳子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジレ」の意味・わかりやすい解説

ジレ
Zile

トルコ中央北部,トカト県の都市。イェシル川下流の平野にあり,商業農業中心地穀物,テンサイが主産物で,精糖工業が発達している。古名はゼラ Zela。前 47年にカエサルがポントス王ファルナチス2世を破り「来た,見た,勝った」と報告したことで知られる。人口4万 6323 (1990推計) 。

ジレ
gilet

チョッキまたはブラウスにみせかけた,装飾用袖なし胴衣。スーツの下に着て,開いた胸元からのぞかせ,衣服の体裁を整える。

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