改訂新版 世界大百科事典 「スタノボイ山脈」の意味・わかりやすい解説
スタノボイ[山脈]
Stanovoi khrebet
ロシア連邦東部,東シベリアを東西に走る中山性の山脈。その大半は北極海と太平洋(日本海,オホーツク海)の分水嶺となり,サハ共和国とアムール州の境界でもある。ほぼ北緯56°線に沿って東西にのび,長さ700km,幅100~180km,標高は1500~2000mであり,最高点は東部のスカーリスティー・ゴーレツ(2412m)。山体は結晶片岩,片麻岩,花コウ岩などの深成岩からなり,一部に金,鉄などの埋蔵が知られている。山腹は,低い部分はカラマツ,モミ類などのタイガ(針葉樹林)であるが,標高1200mを超えると山地ツンドラになる。日中の最高気温が10℃を超えるのはわずか2ヵ月で,冬には-30℃~-40℃に下がる。雨は夏から秋にかけて多い。山脈の東はオホーツク海北西岸に沿うジュグジュル山脈Khrebet dzhugdzhurに,西はバイカル湖北東岸のスタノボイ高地Stanovoe nagor'eにつづいて山がちな地方を形づくっている。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報