ステアリン(英語表記)stearin

デジタル大辞泉 「ステアリン」の意味・読み・例文・類語

ステアリン(stearin)

ステアリン酸グリセリド無色針状結晶ベンゼンクロロホルムに溶け、水には溶けない。多く脂肪主成分の一。ろうそく・せっけんなどの原料に用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「ステアリン」の意味・読み・例文・類語

ステアリン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] stearin ) ステアリン酸、パルミチン酸主体とする固状の脂肪。綿実油牛脂、魚油などから液状油分を除いた固形の脂肪、あるいは混合脂肪酸から液体脂肪酸を除いた固体脂肪をいう。軟膏グリセリン座剤、製剤バニシングクリームなどの原料に用いる。〔外来語辞典(1914)〕
    1. [初出の実例]「灯りはハイカラなステアリンのランプで」(出典:機関車に巣喰ふ(1930)〈龍胆寺雄〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ステアリン」の意味・わかりやすい解説

ステアリン
stearin

牛脂や綿実油などを冷却,圧搾して液状物を除いた固脂。このほかに次の3つについても単にステアリンという場合がある。 (1) トリステアリン 化学式 C57H110O6 。グリセリンのトリステアリン酸エステルで,無色の結晶。融点はβ体で 71.5℃,β' 体で 65℃,α体で 54.5℃。 (2) ジステアリン 化学式 C39H76O5 。グリセリンのジステアリン酸エステルで,置換位置によって2種存在する。 (3) モノステアリン 化学式 C21H42O4 。α体とβ体がある。

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化学辞典 第2版 「ステアリン」の解説

ステアリン
ステアリン
stearin

C57H110O6(891.50).C3H5(OCOC17H35)3ステアリン酸グリセリドでトリステアリンともいう.葉片状晶.融点55 ℃ および71~72 ℃(複融点).冷エタノール,冷エーテルに難溶,ベンゼン,クロロホルムに易溶.ろうそくの製造などに用いられる.[CAS 11099-07-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ステアリン」の解説

ステアリン

 →トリステアロイルグリセロール

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のステアリンの言及

【ステアリン酸】より

…工業的には,天然油脂を水素添加により硬化し,それを加水分解して得た脂肪酸混合物から蒸留などによって分離される。工業用のステアリン酸と呼ばれるものにはステアリン酸を主成分とする固体脂肪酸で,パルミチン酸その他の高級脂肪酸を含むものがあり,ステアリンと呼ばれることもある。用途としては,ゴム工業用滑剤など,プラスチック工業における塩化ビニル樹脂の安定剤,可塑剤など,洗剤,乳化剤,セッケン,グリース,ろうそく,バニシングクリームに代表される化粧品など,多くの製品の原料に用いられる。…

※「ステアリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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