スノードロップ(英語表記)snowdrop
Galanthus

デジタル大辞泉 「スノードロップ」の意味・読み・例文・類語

スノードロップ(snowdrop)

ヒガンバナ科の多年草鱗茎りんけいから線形の葉が数枚出る。2、3月ごろ、高さ約15センチの花茎が伸び、白色の花を下向きに開く。ヨーロッパ原産で、観賞用。ガランサス。まつゆきそう。ゆきのはな。 春》

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精選版 日本国語大辞典 「スノードロップ」の意味・読み・例文・類語

スノー‐ドロップ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] snowdrop ) ヒガンバナ科の多年草。南ヨーロッパ、カフカス地方原産で、明治初期に渡来し、広く、庭園に植えられる。高さ一〇~二〇センチメートルで、地下に径一・五~三センチメートルの鱗茎がある。葉は長さ約二〇センチメートルの線形で、数本が根生する。花茎の先端に長さ約二センチメートルの白色の花を一個、下向きにつける。花被は六枚で、三枚の内花被は外花被よりやや短く、先端に緑色の斑がある。まつゆきそう。ゆきのはな。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「スノードロップスやパンヂーが石畳みを取りまく緑の間から」(出典:小さき室内美術(1926)〈森谷延雄〉はしがき)

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改訂新版 世界大百科事典 「スノードロップ」の意味・わかりやすい解説

スノードロップ
snowdrop
Galanthus

ヒガンバナ科スノードロップ属の球根植物。15種ほどあるが,地中海東部地方に多い。属の学名は,その花色からギリシア語のgala(乳の意)とanthos(花の意)を組み合わせてつけられた。花壇,落葉樹の下の植込み鉢植え,ロックガーデンなどにも利用される。春咲球根植物のなかではとくに早咲きで,植物の周囲から雪がとける時期に咲き,春告草(はるつげぐさ)として愛されている。栽植されるものにはオオユキノハナG.elwesii Hook.(英名giant snowdrop,トルコ原産,白花で花弁の内側に緑斑,草丈約20cm,開花期2月)やユキノハナG.nivalis L.(英名(common)snowdrop,南東ヨーロッパの原産,やや晩生,多くの変種がある)などがある。植込期は9月下旬~10月。腐葉土などの多い土を好む。覆土はあまり深くしない。肥料は油かすを少し与える。耐寒性球根植物なので,鉢植えの場合は暖かい部屋などには入れないようにする。球根が小さいので樹陰などに植えたときは排水をよくして,2~3年は掘り上げないほうがよい。繁殖は実生(開花まで3~4年かかる)と分球による。
執筆者:

伝説によれば,アダムイブ楽園を追われたとき,天使がイブを慰めるため降りしきる雪に息を吹きかけたところ,その雪の落ちた場所からこの花が咲き出たという。花言葉は〈希望と慰め〉。早春に開花することから聖燭祭(2月2日,聖母御潔(きよ)めの祝日)の花ともいわれ,純潔の象徴となり,古くは修道院で盛んに栽培され,聖燭祭に祭壇でまかれた。しかしイギリスの田園部では,白い花が屍衣(しい)を連想させるとして忌み嫌い,この花を家の中に持ち込めば不幸が起こると信じられている。
執筆者:


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スノードロップ」の意味・わかりやすい解説

スノードロップ
すのーどろっぷ
snowdrop
[学] Galanthus

ヒガンバナ科(APG分類:ヒガンバナ科)の耐寒性秋植え球根草。属名のガランサスよりスノードロップの名で知られている。ヨーロッパおよびカフカス地方原産。球根は小形の鱗茎(りんけい)で、秋植え球根草のなかではもっとも早く開花する。日当りのよい所なら、2月に長さ10センチメートルくらいの線形の葉を2~3枚出し、葉より長い花茎が中心から伸び、頂端に白色で下向きの花をつける。露地植え、鉢植え、ロック・ガーデンなどに適する。

 代表種のニバリス種G. nivalis L.は南ヨーロッパの山地の原産。草丈は10センチメートルほどで、冬から早春に花を開く。改良品種が多数ある。エルウェシー種G. elwesii Hook.f.はニバリスより大形で栽培しやすく、開花が早い。

 10月、有機質に富む水もちのよい土壌に植える。開花までは日当りのよい所で育成し、その後は半日陰の所に移植して育てる。鉢植えは4号鉢に5球植えとし、花が終わったら日陰に置く。繁殖は分球によるが、実生(みしょう)も可能である。

[平城好明 2019年1月21日]


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百科事典マイペディア 「スノードロップ」の意味・わかりやすい解説

スノードロップ

南欧,カフカス原産のヒガンバナ科の一属で,鉢植,ロックガーデンに向く秋植え球根植物。ガランサス・ニバリスはユキノハナ,マツユキソウともいい,10〜15cmの線形の葉を2〜3枚根生,2〜3月に10cm内外の花茎の先に半開の花を下向きに1花つける。外花被片3枚は大きく白色で,内花被片3枚は小さく上端が緑色で浅く2裂。ガランサス・エルウェシー(和名オオマツユキソウ)は早咲きで高さ約20cm,花も葉も大きい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スノードロップ」の意味・わかりやすい解説

スノードロップ
Galanthus nivalis; snowdrop

ヒガンバナ科の多年生球根植物。マツユキソウ,ユキノハナなどの和名もある。ヨーロッパ中部からカフカス地方に自生し,観賞用に広く栽培される。直径 1.5~2cmの鱗茎から長さ約 20cmの数枚の線状葉を生じ,3~4月頃 (暖地では1月) ,20~30cmの花茎を出し,頂に1花をつける。外花被は3枚,白色で長さ約 2cm,内花被も3枚,一部分緑色を呈し,長さ 1cmばかりで開花時には外花被がほぼ水平に開く。

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