スポーツクラブ(読み)すぽーつくらぶ(英語表記)sports club

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スポーツクラブ」の意味・わかりやすい解説

スポーツクラブ
すぽーつくらぶ
sports club

スポーツ愛好者が結成する集団。地域社会や学校、企業といった共同体の結びつきによって集まることが多く、自主的にスポーツ活動を行う。少年野球や少年サッカーに代表されるような、同世代で単一競技を行うチーム型クラブほか、学校や企業内のスポーツクラブ(運動部や社会人チーム)、ママさんバレーなどの地域のスポーツクラブなどが全国に多数存在している。

 また、文部科学省と日本体育協会(現、日本スポーツ協会)では1995年(平成7)から9年間にわたり、地域住民が参加費を負担することを前提に、住民自らが主体的に運営する総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業を全国的に展開した。これは、子供から高齢者までの多世代を対象に、個々好みや技術レベルにあわせて、さまざまな種目に参加できるスポーツクラブである。2016年(平成28)7月時点で3586クラブ(設立準備中を含む)が1741の市区町村で育成されている。

 このほかに、スポーツクラブとしては商業スポーツクラブがある。多くは会員制で指導者がおり、プールスタジオジムなどを備え、フィットネスクラブやアスレチッククラブ、ウェルネスクラブなどともよばれる。

 そもそもスポーツクラブは、イギリスを中心としたヨーロッパ諸国で18~19世紀に発展した。当初有閑階級社交の場であり、政治クラブの性格をもつものや社会奉仕などの役割を担う組織として発達したクラブが多かった。そのため、今日一般的になっているクラブチームなどの活動に関しても、地域に根ざした社会的機能を有するクラブが多い。一方、日本では組織的な社会体育の活動としてスポーツクラブが存在し、小規模で単一のスポーツ競技団体が地域チームとして根づいたという背景がある。文部科学省が展開する総合型地域スポーツクラブは、こうした成り立ちをもつ日本のスポーツクラブに、ヨーロッパにみられるような社会的機能も盛り込むことを目ざしている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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