スリコフ(読み)すりこふ(英語表記)Василий Иванович Суриков/Vasiliy Ivanovich Surikov

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スリコフ」の意味・わかりやすい解説

スリコフ
Surikov, Vasilii Ivanovich

[生]1848.1.24. クラスノヤルスク
[没]1916.3.19. モスクワ
19世紀ロシアの代表的画家移動展派の一人で,社会主義リアリズム先駆をなした。サンクトペテルブルグ美術アカデミーに学び,イタリアスペインを旅行,中世絵画ならびにパオロ・ベロネーゼティツィアーノ・ベチェリらの影響を受けた。歴史画が多く巨大な構図と激しい色彩で,専制圧政に立ち向かった自国人民の姿を表現。主要作品『大貴族モロゾワ』(1887,トレチヤコフ国立美術館),『エルマクのシベリア征服』(1895,ロシア国立美術館)など。(→ロシア美術

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スリコフ」の意味・わかりやすい解説

スリコフ
すりこふ
Василий Иванович Суриков/Vasiliy Ivanovich Surikov
(1848―1916)

ロシアの画家。クラスノヤルスクのコサックの家庭に生まれる。ペテルブルグの美術アカデミーでチスチャコフに師事した。学生時代から歴史画に興味をもち、一貫して歴史画を描いた。『親衛兵処刑の朝』(1881)、『ベリョーゾボのメンシコフ』(1883)、『モロゾフ大貴族夫人』(1887)、『イェルマークのシベリア征服』(1895)、『スボーロフのアルプス越え』(1899)などが有名。いずれもロシア史にとってきわめて重要な歴史的エピソード題材としており、国民的な共感を得た。ソビエト時代になっても高く評価され、国立モスクワ美術大学は彼の名を冠し、スリコフ記念美術大学とよばれていた。生地クラスノヤルスクには個人美術館が開かれている。

木村 浩]

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