日本大百科全書(ニッポニカ) 「スリー・アールズ」の意味・わかりやすい解説
スリー・アールズ
すりーあーるず
3R's 英語のreading、writing、arithmeticの三つ頭韻のRをとって3R'sといい、読み方、書き方、算術のことをいう。日本語の「読み・書き・そろばん」にあたることばである。アメリカの植民地時代にできて発達した学校に「スリー・アールズの学校」school of 3R'sがあったといわれている。近世の庶民学校において、庶民階級の生活の必要から初等教育の基礎的内容として出現したものであり、読み方と書き方が最初に現れ、やや時期が遅れて算術が出現している。
その後社会の歴史的発展のなかで、このことばの意味もいろいろ変わってきたが、現在でも学校教育における基礎的内容の中心的なものとして、その重要性に変わりはない。しかし、それが単に生活に必要な最小限の本質的知識あるいは問題解決のための用具としてだけではなくて、より豊かな文化を受容し創造するための基本的な内容として、その意味が見直されてきている。
[森川 直]