( 1 )①の解は、橋本進吉の説による。
( 2 )①②ともに「は」はもと清音で後にワに転じたものと認められる。近世の口語では、②の場合、ズワはさらにザア・ザに転じている。また、近世の文語では「ずは」がズバと読まれた例が見られる。富士谷成章は「あゆひ抄(稿本)」で「あらましの内すはなくはなどは半濁也」といって、ズワと読むべきことをわざわざ注意しており、本居宣長は「詞の玉緒」ではズバとしている。→ずんば。
( 3 )「ずは」の「は」は係助詞の「は」であって、後に動詞を受ける接続助詞「ば」に混同されたものと考えられる。ただし、この清音の「は」を係助詞と見ず、「は」という接続助詞があったと考える説もある。
( 4 )「古今‐春上」の「今日来ずは明日は雪とぞ散りなまし消えずはありとも花と見ましや〈在原業平〉」の「消えずはありとも」は「消えずとも」を係助詞「は」で強調した例で、①②の場合とは異なる。
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...