デジタル大辞泉 「ぜ」の意味・読み・例文・類語 ぜ[終助] [終助]《終助詞「ぞ」に終助詞「え」の付いた「ぞえ」の音変化》活用語の終止形に付く。1 親しみを込めて軽く念を押す意を表す。「一服しようぜ」「うまくいったぜ」「明日までに頼んだぜ」2 相手を脅したり、高慢に見下して注意を喚起したりする意を表す。「どうなっても知らないぜ」「つまらんことは言わないほうがいいぜ」[補説]近世後期、江戸語から用いられた。男性語で、ややぞんざいな感じを伴う。 ぜ[五十音] 「せ」の濁音。歯茎の有声破擦子音[dz]と母音[e]とから成る音節。[dze][補説]清音「せ」に対する濁音としては、本来、歯茎の有声摩擦子音[z]と母音[e]とから成る音節[ze]が相当するが、現代共通語では一般に[dze]と発音する。しかし、[ze]とも発音し、両者は音韻としては区別されない。古くは[ʒe](あるいは[dʒe][dze])であったかともいわれる。室町時代末には[ʒe]であったが、近世以降[ze]からさらに[dze]に変じた。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「ぜ」の意味・読み・例文・類語 ぜ 〘 終助詞 〙 文末において活用語の終止形を受け、自分の発言内容を聞手におしつける気持を表わす。親しみがあると同時に、ぞんざいな感じがあるので、現代では目上に対して用いず、また、ふつう女性も用いない。[初出の実例]「こんやもいねヱぜ」(出典:洒落本・両国栞(1771))「早くいかないと、賄(まかなひ)の食(めし)を喰ひ損ふぜ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二)ぜの語誌( 1 )終助詞「ぞ」に終助詞「え」の付いた「ぞえ」から「ぜえ」を経て、江戸で安永(一七七二‐八一)頃成立した。上方での使用は、江戸語の影響を受けるようになった寛政(一七八九‐一八〇一)頃からとされる。( 2 )「です」「ます」などの丁寧語と故意に重ね用いると、すごみや軽侮を伴いつつも自己を低くとらえたニュアンスが出たりもする。 ぜ 〘 係助詞 〙 係助詞「ぞ」の上代東国方言。[初出の実例]「父母が頭かき撫で幸(さ)くあれて言ひし言葉(けとば)是(ゼ)忘れかねつる」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三四六) ぜ【ぜ・ゼ】 ( 「せ」の濁音 ) ⇒せ(せ・セ) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by