タカサゴソウ(読み)たかさごそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タカサゴソウ」の意味・わかりやすい解説

タカサゴソウ
たかさごそう / 高砂草
[学] Ixeris chinensis Nakai subsp. strigosa Kitam.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は直立し、高さ約30センチメートル。切ると乳液が出る。葉は白色を帯び、多くは根出葉で細長く、羽状に浅く裂ける。4~6月、茎の先が分枝し、舌状花のみの頭花をつける。同じくキク科のニガナに似るが、頭花はより大きく径約2センチメートル、約20個の小花からなる。花冠は白色、外面淡紫色を帯びる。本州から九州日当りのよい山野に生え、朝鮮半島、中国東北部に分布する。名は、白い花を白髪に見立て、謡曲高砂(たかさご)』の名を冠したものという。

[森田龍義 2022年3月23日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タカサゴソウ」の意味・わかりやすい解説

タカサゴソウ(高砂草)
タカサゴソウ
Lactuca chinensis var. strigosa

キク科の多年草で,関東地方より西の各地の日当りのよい野原や山麓などに生える。葉はほとんどが茎の下部に集ってつき,細長く,まばらな鋸歯があるが,ときに全縁のものもある。初夏,高さ 30cmほどの茎の頂部で分枝し,すべて舌状花から成る頭状花をつける。直径は2~2.5cmで,舌状花は白く,その縁は紫色を帯びる。

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