日本大百科全書(ニッポニカ) 「タキン党」の意味・わかりやすい解説
タキン党
たきんとう
Thakin party
ビルマ(現ミャンマー)の完全独立を標榜(ひょうぼう)して結成されたド・バマー・アスイーアヨウン(われらビルマ人協会)の別称。タキンの名は、ビルマの地ではビルマ人こそが主人(タキン)であるとし、会員が個人名に冠して呼び合ったことによる。イギリス領下にあった1930年6月、タキン・バタウンらの青年知識人によって結成され、35年ごろから活発な政治運動を展開した。38年の油田労働者を中心とする「大暴動」を契機に一大政治勢力となり、農民・労働者をも組織化していった。その後一部(本部派)はシンイェーター(プロレタリア)党と共闘して「自由ブロック」を形成し、44年、党全体はAFPFL(反ファシスト人民自由連盟)へ発展的に解消した。
[伊東利勝]