タクナ(読み)たくな(英語表記)Tacna

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タクナ」の意味・わかりやすい解説

タクナ
Tacna

ペルー南端部,タクナ県の県都。アレキパ南東約 230km,アンデス山麓の砂漠地帯にあり,カプリナ川にのぞむ。標高約 550m。古くからインディオのアイマラ族が住んでいた地に 16世紀スペイン人が町を建設。周辺の肥沃な土壌と涼しい気候に恵まれ,また太平洋岸の港,チリアリカに近いこともあって植民地時代には繁栄ボリビアポトシ銀山からの銀も市を経てアリカに運ばれた。硝石利権をめぐってチリとボリビアの間で始った太平洋戦争にペルーが参戦した結果,1880年から 1929年までチリ軍に占領されたが,その間市街の近代化が進められた。現在周辺の農業地帯の中心地で,タバコ,ブドウ綿花サトウキビなどを集散し,なめし皮,果実缶詰,ぶどう酒などを製造する。パンアメリカン・ハイウェーが通り,チリとの国境まで約 40km。アリカ港と鉄道で連絡。人口 15万 200 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タクナ」の意味・わかりやすい解説

タクナ
たくな
Tacna

ペルー南端部、タクナ州の州都。コルディエラ・セントラル山脈の西麓(せいろく)、チリ国境から42キロメートル、国際港であるチリのアリカへ65キロメートルに位置する。人口21万5683(1998)、30万6021(2018推計)。農業地域の中心地として発達し、綿花、サトウキビ、ブドウなどが灌漑(かんがい)によって栽培されている。市街地はよく舗装され、上下水道が整備されている。アリカからボリビアへ通じる道路、鉄道の要衝で、1880年から1929年まではチリ領であった。国策によって多くの学校が建てられたため、ペルーでは識字率がきわめて高い都市である。

[山本正三]

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