ダイカー(読み)だいかー(英語表記)duiker

翻訳|duiker

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダイカー」の意味・わかりやすい解説

ダイカー
だいかー
duiker

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科ダイカー属に含まれる動物総称。この属Cephalophusアンテロープは、サハラ砂漠以南のアフリカに広く分布し、多くは森林や深い茂みに生息する。体は小形であるが、体高30~85センチメートル、体重8~63キログラムと変化に富む。角(つの)は雌雄にあり、長さ3~9センチメートルでスパイク状。体色は黄土色、赤褐色から黒色までさまざまである。普通、単独かつがいで生活し、繁殖期以外でも縄張りをつくっているといわれる。草やつる草、低木の葉や小枝、果実をおもに食べ、ほかに昆虫や鳥などの動物質もとると思われる。性質は臆病(おくびょう)で警戒心が強く、おもに夜行性である。妊娠期間は120日ほどで、1産1子。子は1日たつと走れるようになる。寿命は9年前後。シマダイカーC. zebraコシキダイカーC. sylvicultorなど14種ほどがあるが、ケープダイカーだけは別属とされ学名Sylvicapra grimmiaとされることが多く、生息地も深い森林でなくやぶ地である。そのためCephalophusをモリダイカー属、Sylvicapraをヤブダイカー属とすることもある。

[今泉忠明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダイカー」の意味・わかりやすい解説

ダイカー
Cephalophus; duiker

偶蹄目ウシ科ダイカー属の動物の総称。小型のアンテロープで,体長 55~90cm,体高 35~50cm。体毛は柔らかく,特に前頭部と尻部の毛は比較的長い。前後肢とも短い。まばらに木が生える藪地すみ,群れをつくらずに単独または1対で生活する。西アフリカに分布するシマダイカーなど十数種が知られる。

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