日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダカール」の意味・わかりやすい解説
ダカール
だかーる
Dakar
西アフリカ、セネガルの首都。同国の政治、経済、文化の中心都市で、アフリカを代表する国際都市でもある。ダカール市の人口は91万9683、首都圏人口は241万1528(2001)。アフリカ大陸最西端のベルデ岬に立地し、沖合いにはかつて奴隷集積所であったゴレ島がある。ヨーロッパと南アメリカを結ぶ航路の補給基地であったが、19世紀にラッカセイ栽培が拡大し、1857年フランスにより岬に港が建設され、その積出し港として発展した。マリやセネガル北部のサン・ルイへの鉄道も建設され、人口も急増し商業の中心地ともなった。1902年にはフランス領西アフリカの首都となり、フランスの西アフリカ植民地支配の拠点となった。独立後もセネガルの首都として発展し、人口も急激に増加した。ヨーロッパと西アフリカ、南北アメリカを結ぶ要衝であることが重視され、西アフリカ中央銀行本店、FAO(国連食糧農業機関)地域本部など国際機関が立地し、国際都市ともなっている。ベルデ岬を構成する陸繋(りくけい)砂州と火山島上には、港を中心に「アフリカのパリ」といわれたヨーロッパ風市街が広がる。ダカール大学、ブラック・アフリカ研究所(IFAN)、博物館などがあり、西アフリカの学術の中心地でもある。工業では、落花生油、製粉、缶詰、自動車、造船、化学肥料、石油精製などがある。港はアフリカ有数の貿易港で年間600万トンの貨物を扱う。サンゴール国際空港L.S.Senghor international airport(ヨッフYoff国際空港)はヨーロッパと西アフリカ、南北アメリカを結ぶ重要な空港である。
[藤井宏志]