ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェスタートン」の意味・わかりやすい解説
チェスタートン
Chesterton, Gilbert Keith
[没]1936.6.14. バッキンガム,ベコンズフィールド
イギリスの批評家,小説家。 H.ベロックと並ぶ,当代のカトリシズムの代表者。セント・ポール校を経てスレード美術学校で絵を,ロンドンのユニバーシティ・カレッジで文学を学んだのち,ジャーナリズムに入り,ユーモアに富んだ逆説や警句を駆使して,広い範囲にわたって健筆をふるい,G.B.ショー,H.G.ウェルズらと論争した。社会批評の領域では,土地再配分論の立場で『現世の欠点』 What's Wrong with the World (1910) を書き,文学批評の面では,『ブラウニング論』 Robert Browning (03) ,『ディケンズ論』 Charles Dickens (06) ,『ビクトリア朝文学論』 The Victorian Age in Literature (13) がある。また「進歩」思想に痛撃を加えた『正統とは何か』 Orthodoxy (09) を書き,1922年カトリックに改宗,『アシジの聖フランシスコ』 St. Francis of Assisi (23) ,『永遠の人間』 The Everlasting Man (25) ,『聖トマス・アクィナス』 St. Thomas Aquinas (33) を著わした。その他,小説『ノッティング・ヒルのナポレオン』 The Napoleon of Notting Hill (04) ,短編集『木曜日の男』 The Man Who Was Thursday (08) ,「ブラウン神父」が活躍する一連の推理小説 (11~35) ,詩,『自伝』 (36) がある。
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