チェフ(読み)ちぇふ(英語表記)Svatopluk Čech

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェフ」の意味・わかりやすい解説

チェフ
Tczew

ポーランド北部,ポモルスキェ県の都市。ドイツ語ではディルシャウ Dirschau。グダニスク南南東約 30km,ウィスワ川左岸,河口から約 30km南方に位置する。内陸からグダニスクにいたる商業ルートの重要な河港として発達。 12世紀末に歴史に現れ,1282年にポーランドの一部となり,1308年からドイツ騎士団占領。 1454年ポーランドの支配下に戻ったが,1772年プロシアが占領。 1919年ベルサイユ条約によりポーランドに返還され,グディニャが建設されるまで,特に石炭輸出の積み替え港として繁栄。機械,食品加工などの工業立地。人口5万 9857 (2002) 。

チェフ
Čech, Svatopluk

[生]1846.2.21. オストシェデックウベネショバ
[没]1908.2.23. プラハ
チェコの詩人小説家。『スベトゾール』『ルミール』『クベト』などの文芸誌の編集者で,文芸集団『ルフ』 Ruchの代表者。スラブの連帯を提唱し,現代社会を展望して,労働者階級の勝利を予見した。主著,抒情詩集『朝の歌』 Jitřní písně (1887) ,『新しい歌』 Nové písně (88) ,寓話的な作品『スラビエ』 Slavie (82) ,『奴隷の歌』 Písně otroka (95) ,物語詩『菩提樹木陰で』 Ve stínu lípy (79) ,散文による SF風「ブロウチェク氏の画期的旅行」3部作 (88,89) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェフ」の意味・わかりやすい解説

チェフ
ちぇふ
Svatopluk Čech
(1846―1908)

チェコスロバキアの詩人、小説家。プラハの大学で法律を修めたあとしばらく法律関係の仕事をし、やがて文学専念。10代から詩作し、叙事詩風のもの、アレゴリー風のもの、風刺的なものなど多方面にわたるが、民族的・社会的解放を主題とするものが多い。長編詩『奴隷の歌』(1895)がとくに有名。散文には小市民ブロウチェク氏を主人公とする一連のSF的風刺小説がある。

飯島 周]

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