ツカツクリ(読み)つかつくり(英語表記)megapode

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツカツクリ」の意味・わかりやすい解説

ツカツクリ
Megapodiidae; megapodes

キジ目ツカツクリ科の鳥の総称全長 30~76cm。シチメンチョウを小型にしたような体つきをした地上性の鳥で,脚が大きくて強い。羽色暗褐色黒色のものが多い。卵は穴を掘って中に埋め,体温ではなく火山地熱や太陽など自然の熱を利用して温める。枯れ葉や枝を盛り上げて土で覆う大きな塚のようなものをつくり,その中に穴を掘って卵を埋める種もある。卵は葉が腐食するときに出る熱で温められる。孵化したは葉や砂などをかきわけてはい出るとすぐに独立し,飛ぶこともできる。密林にすみ,雑食性である。マリアナツカツクリ Megapodius laperouse,クサムラツカツクリ Leipoa ocellata,ヤブツカツクリ Alectura lathami などが知られており,オーストラリア,ニューギニア,インドネシア,太平洋の熱帯諸島に分布している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツカツクリ」の意味・わかりやすい解説

ツカツクリ
つかつくり / 塚造
megapode

鳥綱キジ目ツカツクリ科に属する鳥の総称。この科Megapodiidaeの鳥は、オーストラリア、ニューギニア島ボルネオ島セレベス島、および南西太平洋の島々に分布し、12種がある。全長50~75センチメートル、全体に褐色や黒のじみな羽色をしている。この類の最大の特徴は、卵を自分で温めないことで、落ち葉や砂や火山灰の中に産み込み、それらがもつ熱で卵をかえすのである。もっとも手がこんでいるのはオーストラリアツカツクリLeipoa ocellataで、この鳥は、自分で掘った穴の中に落ち葉を埋め込み、その上のへこみに卵を産んだのち、さらに上に砂を厚くかぶせて大きな塚をつくる。卵は落ち葉の発酵熱で温められるが、塚内を33℃の一定温度に保っておくために、おもに雄が砂を取り除いたり、ふたたびかぶせたりする。この仕事を行うために、雄は毎日のようにこの塚を訪れてそばについている。この類の鳥は、明るい林から熱帯林にまですみ、キジ類のように地上を歩きながら昆虫ミミズや草の種子などをとって食べる。

[樋口広芳]

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