日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツノガエル」の意味・わかりやすい解説
ツノガエル
つのがえる / 角蛙
horned frog
両生綱無尾目レプトダクチルス科ツノガエル属に含まれるカエルの総称。この属Ceratophrysには南アメリカ産の6種が含まれ、大形の種は体長15センチメートル以上に達する。背面は赤、紫、緑、黄などの多様な斑紋(はんもん)があって美しい。代表種はブラジルツノガエルC. cornuta、ベルツノガエルC. ornata、コロンビアツノガエルC. calcarataなどである。ずんぐりした体形で、頭部と口が著しく大きい。上眼瞼(がんけん)が三角形の突起となって目の上に張り出す。林床で生活するが運動は鈍く、もっぱら土や落ち葉の間に潜んでネズミ、トカゲ、ヘビ、カエルなどを待ち伏せ、強い口で捕食する。攻撃性が強く、人の指にかみつくこともある。池の水底に卵を分散して産み、オタマジャクシは肉食性の傾向をもつ。
[倉本 満]