ツルグミ(読み)つるぐみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツルグミ」の意味・わかりやすい解説

ツルグミ
つるぐみ
[学] Elaeagnus glabra Thunb.

グミ科(APG分類:グミ科)の常緑低木。枝は長く伸び、小枝は細く、円柱形で、不明瞭(ふめいりょう)な稜角(りょうかく)があり、濃赤褐色。葉は革質で卵状長楕円(ちょうだえん)形または長楕円形、先は鋭くとがり、表面は深緑色で光沢がなく、裏面赤銅色晩秋から初冬、葉腋(ようえき)に少数の花を開く。萼筒(がくとう)は円筒形で細く、わずかに四稜形を帯び、基部はしだいに細まって子房に移行する。萼片は筒部の約半分の長さである。花糸は萼筒の口に立ち、葯(やく)は花の外にある。果実は長楕円形で大きく、晩春から初夏に赤く熟し、細い柄で垂れ下がる。丘陵に多く生え、関東地方以西の本州から沖縄にかけて分布する。朝鮮半島、台湾、中国にも分布する。

[籾山泰一 2019年11月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツルグミ」の意味・わかりやすい解説

ツルグミ
Elaeagnus glabra

グミ科の常緑低木。関東以南の暖地山地に生える。枝はつる状に伸びてとげがあり,葉は互生して,楕円形で質が厚く,裏面は褐色の星状毛におおわれる。秋の終り頃,葉腋に2,3個の下垂する白色花を束のようにつける。萼は筒状上部は4裂する。果実は翌年の初夏に赤く熟し,長楕円形で赤褐色の鱗片がある。

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