テオレル(読み)ておれる(英語表記)Axel Hugo Teodor Theorell

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テオレル」の意味・わかりやすい解説

テオレル
ておれる
Axel Hugo Teodor Theorell
(1903―1982)

スウェーデンの生化学者。カロリンスカ大学で学位を取得。学生時代に血清中の脂性タンパクを発見した。1932年にウプサラ大学準教授になり、ミオグロビンの結晶化に成功、また細胞呼吸におけるチトクロムcなどのヘムタンパク質の研究を行った。1934年からベルリン・ダーレムのワールブルクのもとに留学し、黄色酵素が黄色のリボフラビンリン酸とタンパク質とから成り立っていることを確認した。1937年に母校に戻り、同大学ノーベル医学研究所の生化学部長になった。1955年に酸化酵素の研究でノーベル医学生理学賞を授与された。

[宇佐美正一郎 2018年9月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テオレル」の意味・わかりやすい解説

テオレル
Theorell, Axel Hugo Teodor

[生]1903.7.6. リンチェピング
[没]1982.8.15. ストックホルム
スウェーデンの生化学者。ストックホルムの王立カロリンスカ医科大学を卒業,1932~36年,ウプサラ大学助教授。この間 (1933~35) にベルリンで O.ワールブルクと共同で黄色酵素の研究を開始した。 37年ストックホルムのノーベル医学研究所の生化学部長。生体の呼吸作用に重要な役割を果す黄色酸化酵素が,アポ酵素 (蛋白質) と補酵素 (ビタミン B2 ) という2つの部分から成ることを証明,引続いてチトクロムなどの酸化酵素の純粋抽出に成功した。いわゆる酸化酵素系の性質と作用方式を明らかにしたことにより 55年,ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

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