テクタイト(英語表記)tektite

翻訳|tektite

デジタル大辞泉 「テクタイト」の意味・読み・例文・類語

テクタイト(tektite)

黒曜石に似たガラス質の直径数センチ程度の球形楕円体円盤状の物質。東南アジアオーストラリアアフリカ北アメリカなどの一部で発見され、成因については隕石いんせき衝突説などがある。

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精選版 日本国語大辞典 「テクタイト」の意味・読み・例文・類語

テクタイト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] tektite ) 珪酸主成分とする天然のガラス質物質。淡緑色・透明、大きさは数センチメートルから数十センチメートルで丸みがある。ボヘミア地方、アメリカテキサス州、オーストラリア、北アフリカなどの一部で発見される。かつては隕石の一種と考えられていた。

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改訂新版 世界大百科事典 「テクタイト」の意味・わかりやすい解説

テクタイト
tektite

ケイ酸を主成分(約70%)とし,水を含まない,成因の不明な天然ガラス質物質。チェコスロバキアで1900年に発見された。東南アジア,オーストラリア,アフリカ,アメリカ合衆国などの限られた地域だけで発見される。外観はボタン状や球状などが多く,直径は数cm以下。表面に流状構造を示すため,空気中を飛行したとされる。固化年代は産地ごとに異なる。成因は,宇宙物質(隕石や月など)が地表落下したものとする考えと,地上物質(岩石や土壌)が隕石の衝突や火山噴出などで空中に放出され落下したものとする考えがある。成因を証明するため,宇宙に固有の鉱物の検出,宇宙線生成核種の検出などが試みられているが,結論は出ていない。天然ガラス質物質としては,黒曜石,パーライト,衝撃ガラスなどがある。それらと異なるおもな性質としては,水を含まない点,2価の鉄を含む点,屈折率のやや高い点などがあるが,区別は難しい。テクタイトの名前は,ギリシア語で〈溶ける〉という意味をこめて付された。中国では,10世紀のころに玻璃(はり)隕石と名付けられた記録がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テクタイト」の意味・わかりやすい解説

テクタイト
てくたいと
tektite

大きさ数センチメートルの球、円盤、紡錘形をした黒褐色ガラス物質。その色および化学組成は黒曜石に似ているが、火山起源の溶岩ではなく、空中を飛行したケイ酸塩メルトの形状を示す。その産地は、地球上の限られた場所、東南アジアの一部、オーストラリアの一部、アフリカ北部、北アメリカの一部などである。それゆえ、テクタイトの起源については、かつて、隕石(いんせき)に似た地球外物質であるとか、隕石の衝突によって飛散した月面物質であるなどの外来起源説と、隕石が地球表面に衝突したときに形成されるガラス飛散物であるとする地球起源説との間に熱い論争があった。しかし現在では外来起源説を信じる者はいない。なぜならば、テクタイトには、宇宙空間飛行中に宇宙線によってつくられるはずの微弱放射能が検出されず、また大気圏突入時につくられるはずの溶けた殻もついていないからである。アポロ計画は月面にテクタイトが存在しないことを明らかにした。一方、テクタイトの産地の近くには隕石孔がある。ここで採取される衝撃ガラスの化学組成とその生成年代は、相当するテクタイトにきわめてよく似ている。

[小沼直樹]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テクタイト」の意味・わかりやすい解説

テクタイト
tektite

オーストラリア,東南アジア,アフリカ北部,北アメリカなどいくつかの限られた場所に産出する黒曜石類似の天然ガラス質の物質。外形は球,楕円,紡錘形などのほか,溶融状態のまま空中を飛行した形跡を示すボタン状のものなどがある。大きさは1~5cmのものが多い。起源については (1) 隕石のような宇宙物質である,(2) 月から飛んできた,(3) 地球の岩石の溶けたものである,などが提案されていたが,最近の隕石や月物質の研究からは,地球の岩石の溶けたものであるという考えに固まりつつある。ただし,地球の岩石がどのような機構で溶けて,テクタイトのような形をつくったものかについては定説がない。ボタン形のテクタイトはかなりの速度で空中を飛んだことを示すから,地表に隕石が衝突したときに飛び散った岩石がテクタイトになったものかもしれない。テクタイトの産出する場所の近くに大きな隕石孔のある場合もあるが,そうでない場合もあるから,テクタイトの起源のすべてを隕石衝突によるものとするわけにもいかない。語源はギリシア語の溶けたものを意味するテクトスから F.E.ジュースによって命名された。

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化学辞典 第2版 「テクタイト」の解説

テクタイト
テクタイト
tektite

地球上,火山作用のない場所で発見される天然ガラス質物質.SiO2が約70% に達し,黒曜石に類似するが屈折率が異なり明瞭に区別される.いん石の一種と考えられている.小さな丸いガラス玉になって,オーストラリア,東南アジア,アフリカ,北アメリカなどで発見された.その落下を目撃したものはいない.アポロ計画によって月からもち帰った試料中にも,テクタイト状のガラス玉が発見された.

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百科事典マイペディア 「テクタイト」の意味・わかりやすい解説

テクタイト

地表・地層中に軽石状に産する天然ガラス質物質。透明な緑〜黒色,球状またはレンズ状で,外観は黒曜石に似る。断面は複雑な流線模様。化学組成はほぼ一定で,SiO270〜80%,Al2O311〜15%。東南アジア,オーストラリア,北米等限られた場所で発見される。巨大な隕石(いんせき)の衝突によって地球の岩石の溶けたものと考えられている。

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デジタル大辞泉プラス 「テクタイト」の解説

テクタイト

任天堂のゲーム「ゼルダの伝説」シリーズに登場する敵キャラクター。

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