テソ族(読み)テソぞく(英語表記)Teso

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テソ族」の意味・わかりやすい解説

テソ族
テソぞく
Teso

イテソ族 Itesoともいう。ナイロ=ハム語 (パラ=ナイル語) 系のカラモジョン族と同系の半農半牧民。人口約 170万と推定される。ウガンダ中東部に住む北テソ族と,エルゴン山南部のウガンダとケニアの国境地帯に住む南テソ族に分れる。現在では農耕に重点をおき,綿花,タバコなどの換金作物の栽培に熱心である。伝統的に首長制をもたず,年齢組体系は植民地時代にほとんど消滅した。多数の父系氏族は特定のタブー群をもち,婚姻と複雑な妻の編入儀礼の基礎となっている。2世代の複合家族が社会的単位で,リニージ分節体系はみられない。平等主義的価値観が社会行動の原理となっており,全体的な統合は弱い。至高神エデケはキリスト教と習合しているが,近年は隣接諸族の影響を受けて死霊祭祀が盛んになっており,南テソ族では埋葬後約3~20年に遷骨を行う。

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