カラモジョン族(読み)カラモジョンぞく(英語表記)Karamojong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラモジョン族」の意味・わかりやすい解説

カラモジョン族
カラモジョンぞく
Karamojong

ウガンダのカラモジャ地方に住むナイロ=ハム語(パラ=ナイル語)系の牧畜民。人口約 35万と推定される。伝統的な移牧生活を維持し,ウシ略奪を目的とした襲撃を近隣集団に対して行なう。農耕は女性が行ない,キビ,モロコシ類を栽培する。10の支族からなり,それぞれ宗教的中心地をもつが,複雑な年齢組体系と,父系氏族が支族を横断することによって統合を果たしている。首長制は存在せず,父系合同家族が社会の基本単位となる。婚姻は,夫方居住婚,一夫多妻制をとる。ほかの牧畜民と同様にウシに中心的価値がおかれている。1979年には,政権を失ったイディ・アミン大統領派の残党による略奪が行なわれ,さらに 1980年には干魃のため大飢饉にみまわれ,多数の飢死者を出すとともに人口の多くが難民化したといわれる。

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