テリアカ(その他表記)theriaca

精選版 日本国語大辞典 「テリアカ」の意味・読み・例文・類語

テリアカ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] theriaca ) オランダ伝来の薬。色の赤いねり薬で毒ヘビなどの有毒動物咬傷に効く解毒剤。テリアギア。
    1. [初出の実例]「此国より出るテリアカと云丹薬あり」(出典:増補華夷通商考(1708)五)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テリアカ」の意味・わかりやすい解説

テリアカ
theriaca

解毒薬。 50~60年頃ローマ皇帝ネロの侍医アンドロマクスが発明したといわれ,当初毒蛇咬傷解毒薬で,約 70種の薬物からなる薬方であった。東洋には7世紀に伝わり,中国の『新修本草』 (659) に外国渡来の薬方として記載されている。中世には黒死病 (→ペスト ) など感染症特効薬として使われ,以来 19世紀まで,洋の東西万能薬として珍重された。材料の薬種や数は国,時代によって多種多様であったが,ヘビは必ず入っていた。

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百科事典マイペディア 「テリアカ」の意味・わかりやすい解説

テリアカ

ローマ時代に作られた万能の解毒薬。ネロの侍医アンドロマコスが66種の薬物を配合して製したといわれる。その後,処方は種々に変化したが,17世紀ころまでヨーロッパで貴重薬とされた。中国や日本にも底野迦の名で伝わったが,これは特に獣類にかまれたときの解毒に用いられたという。

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