日本大百科全書(ニッポニカ) 「テリー」の意味・わかりやすい解説
テリー
てりー
Dame Ellen Alice Terry
(1847―1928)
イギリスの女優。俳優一家に生まれ、9歳で初舞台。しばらくチャールズ・キーンの劇団に所属。二度の結婚生活などを経て、1874年本格的にロンドンの舞台に復帰し、みごとな演技でたちまち観衆を魅了した。以来長く第一人者の地位を守るが、とくに78年から25年間にわたるヘンリー・アービングとの共演で名声を高めた。オフィーリア、ビアトリス、ジュリエット、マクベス夫人などシェークスピア劇や近代劇の女主人公で名演技を残し、1906年の舞台生活50周年公演には、テリー一家の22人が応援出演した。07年に三度めの結婚をした。また文筆にも秀で、自叙伝やシェークスピア劇の演技論、バーナード・ショーとの名高い往復書簡などを著した。25年デイムに叙せられた。舞台装置家・演出家として有名なゴードン・クレイグは息子である。
[中野里皓史]