食の医学館 「できもの・いぼ・にきび」の解説
できものいぼにきび【できもの・いぼ・にきび】
《どんな病気か?》
〈細菌やウイルスの感染、皮脂の影響などでできる〉
できものは、毛孔(けあな)から黄色(おうしょく)ブドウ球菌(きゅうきん)という細菌が感染し化膿(かのう)したものです。
円錐形(えんすいけい)の赤い盛りあがりができて痛みますが、化膿がピークを迎えると膿(うみ)と芯(しん)がでて治ります。
いぼは、おもに皮膚の小さな傷からウイルスが感染して丘疹(きゅうしん)(盛りあがった発疹(ほっしん))ができるものです。
大きさは粟粒(あわつぶ)大からエンドウマメ大までで、皮膚面から半球状に隆起します。表面はゴワゴワとかたく、白っぽい色をしているのが特徴です。
にきびは思春期以降の人の顔や胸、背中などにできる赤い丘疹です。毛孔にたまった皮脂(ひし)が原因で、これに細菌感染が加わると化膿します。
脂性(あぶらしょう)の人にできやすいものですが、皮脂の分泌過剰(ぶんぴつかじょう)だけが原因ではなく、一時的なビタミンの代謝異常(たいしゃいじょう)や自律神経(じりつしんけい)の失調、胃腸の不調などが加わってできるといわれます。
《関連する食品》
〈レバー、サンマ、カボチャ、ミカンなどが効果的〉
○栄養成分としての働きから
できものやいぼ、にきびに効果的な栄養素には、ビタミンではビタミンB2、B6、C、E、フラボノイド、ミネラルではセレン、亜鉛(あえん)などがあります。このうちB2には、小鼻のわきに脂っぽいブツブツができる脂漏性(しろうせい)皮膚炎を防止する働きがあります。また、B6には健康な皮膚をつくる働きがあります。B6はB2が不足するとうまく働かなくなるので、両方あわせてとるようにしましょう。レバー、サンマなどの食品には、B2もB6も豊富に含まれています。
ビタミンEにも皮膚を正常に保つ働きがあり、Cには免疫力を強化して細菌やウイルスの感染を防ぐ効果があります。EもCといっしょにとると効果的なのでカボチャ、サツマイモ、ブロッコリー、ホウレンソウなど、両方含む食品をとりましょう。
ワカサギやイワシなどに含まれるセレンには、消炎作用があります。セレンもビタミンEといっしょにとると、抗酸化力がアップします。
また、フラボノイド(ビタミンP)には、コラーゲンをつくるビタミンCを助けたり、感染に対する抵抗力を高めたりする働きがあります。フラボノイドはそば粉、ミカンやオレンジなどの柑橘類(かんきつるい)の薄皮に含まれるので、ミカンなどは丸ごと食べるといいでしょう。
不足すると皮膚の再生がうまくいかなくなるので、亜鉛も忘れずにとりたい栄養素です。亜鉛はカキ、牛もも肉などに多く含まれています。