デ・ペリエ(読み)でぺりえ(英語表記)Bonaventure Des Périers

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デ・ペリエ」の意味・わかりやすい解説

デ・ペリエ
でぺりえ
Bonaventure Des Périers
(1510?―1544?)

フランス・ルネサンスの人文学者(ユマニスト)、詩人ブルゴーニュ地方のアルネー・ル・デュックに生まれる。マルグリット・ド・ナバール庇護(ひご)を受け、その秘書を勤める。彼の作とされる風刺作品『キュンバルム・ムンディ』Cymbalum mundi(1537)は、パリ大学神学部から禁書処分を受ける。その思想内容については、無神論、神秘主義的福音主義など、解釈が分かれ、なお多くの疑問が残されている。コミックな逸話を集成した『笑話集』Les nouvelles récréations et joyeux devis(1558)は、生彩ある味わい深い物語集で、彼の死後刊行されている。

[髙橋由美子 2015年5月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「デ・ペリエ」の意味・わかりやすい解説

デ・ペリエ
Bonaventure Des Périers
生没年:1510?-44?

フランスの作家。1536年マルグリット・ド・ナバールの秘書に採用された人文主義者であるが,44年頃自殺したとされている。彼が匿名で出版し,刊行と同時にパリ大学神学部から禁書に処せられた謎めいた世相風刺の対話《キュンバルム・ムンディ(世の鐘)》(1538)には,キリスト教教義に対する大胆な批判がこめられていると一般には考えられてきた。しかし近年,逆にこれを福音主義的なキリスト教信仰を説く書であるとみなす解釈も出されている。死後出版の《笑話集》(1558)は軽妙な語り口による魅力に富んだ小話集である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デ・ペリエ」の意味・わかりやすい解説

デ・ペリエ
Des Périers, Bonaventure

[生]1500頃.ブルゴーニュ,アルネールデュク?
[没]1544頃.リヨン
フランスのユマニスト,詩人,物語作家。リヨンなどで聖書古典の翻訳に従事したのち,1536年マルグリット・ダングレームの秘書となる。 37年に宗教を風刺した4編の対話『キュンバルム・ムンディ』 Cymbalum Mundiを刊行したが,異端の疑いをかけられ,ただちに発禁処分を受けた。死後出版の『新笑話集』 Nouvelles Récréations et joyeux devis (1558) には,当時の風俗が活写されている。

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