ドイツ体操(読み)どいつたいそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツ体操」の意味・わかりやすい解説

ドイツ体操
どいつたいそう

ドイツで発達した器械体操、手具体操徒手体操総称で、スウェーデン体操デンマーク体操とともに世界三大体操の一つに数えられている。ドイツ体操は、その始祖と仰がれているバゼドウによって始められた。その特徴は、(1)自然性を尊重し、全身的、総合的な修練形式を重視していること、(2)鉄棒平行棒あん馬つり輪などの器械器具を多角的に利用して、総合的運動能力の増強をねらっていること、(3)徒手体操においてはリズムを重視し、振動形式の運動が主軸をなしていること、(4)重いボール・丸太など抵抗物を持たせて筋肉に負担を与え、しかもリズミカルな運動により全身的筋力強化を目ざしていること、(5)筋肉を修練するにあたって緊張と弛緩(しかん)を交互に練習することは、その筋肉自体を発達させ、かつその性能を高める最良の方法であるとして、緊張・弛緩の原理を重視していること、などである。

[上迫忠夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ体操」の意味・わかりやすい解説

ドイツ体操
ドイツたいそう
Deutsches Turnen

ドイツで 18世紀後半から汎愛派の教育家たちによって始められ,F.ヤーンによって完成された体操の体系スウェーデン体操デンマーク体操と並び世界的に普及している体操の一つ。自然性を尊重して全身的,総合的な修練形式をとること,鉄棒,平行棒,あん馬,平均台などの器械器具を利用することなどに特徴があり,その運動内容は徒手体操 (準備運動) ,疾走跳躍,器械体操,重いポールや丸太などを扱う運動,縄飛びなどからなっている。

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