トキワススキ(読み)ときわすすき(その他表記)Japanese silver grass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トキワススキ」の意味・わかりやすい解説

トキワススキ
ときわすすき / 常磐薄
Japanese silver grass
[学] Miscanthus floridulus (Labill.) Warb.

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。根茎は短く、稈(かん)は株立ちしてススキより大きく、高さ0.7~3メートルに達する。7~9月、稈頂に大形の円錐(えんすい)花序をつける。主軸は長く、分枝の小花序より長い小穂は約3ミリメートル。海岸近くの陽地に群生し、関東地方以西の本州から沖縄、および中国、太平洋諸島に分布する。名は、冬も葉が枯れないことに由来する。

[許 建 昌 2019年9月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トキワススキ」の意味・わかりやすい解説

トキワススキ(常盤薄)
トキワススキ
Miscanthus floridulus

イネ科の大型の多年草。カンススキまたはアリハラススキともいう。千葉県以西の本州,四国九州,沖縄県から台湾,太平洋諸島に分布する。ススキの1種であるが,ススキよりも大型で高さ2~3mとなり,花序の主軸は長く伸長して花序の上部に達し,葉は冬でも枯れないなどの点で区別される。和名常緑の葉をもつススキの意で,別名のカンススキも同意である。

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世界大百科事典(旧版)内のトキワススキの言及

【ススキ(芒∥薄)】より

…生態的には日本の乾いた草原の優占種で,森林を切るとまずススキが生え,ススキ原を焼くとススキが栄える。 トキワススキM. floridulus (Labill.) Warb.はカンススキ,アリハラススキともいい,大型の花序の中軸がその枝(総)より長く,花序の先端まで及ぶので区別できるし,葉も幅3cmに達し,茎の高さも2mに及ぶ。千葉県以西の海岸,とくに瀬戸内海沿岸に多く,四国,九州,琉球,台湾から太平洋諸島に分布する。…

※「トキワススキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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