トート(英語表記)Thoth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トート」の意味・わかりやすい解説

トート
Thoth

古代エジプトの神。種々の性格をもつ神で,まず月神としてレー命令により太陽が沈んでいる間天空を支配し,また時の計量者としてエジプト暦 1月をトートの月とし,1年を3つの季節に分けた。宇宙創造の神ともされ,彼の声から4人ずつの男神女神が生れたという。またオシリス宰相として彼のアジア遠征に随行し,殺されたオシリスの復活にも尽し,その子ホルスを守ったという。知恵に恵まれ,あらゆる学問を発明し,また象形文字も発明した。オシリスの「裁きの間」で正義の秤の示す審判を記すのはトートの役目で,記録を保管する書記の神ともされる。また彼みずから判決を下す役割をになった。諸文書では妻は正義の神マートとされるが,神殿ではセフェクトとネマウトが彼とともに祀られた。トートの月の 19日に彼の祭りが行われたらしい。

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