改訂新版 世界大百科事典 「ドウガネブイブイ」の意味・わかりやすい解説
ドウガネブイブイ
Anomala cuprea
甲虫目コガネムシ科の昆虫。体の背面は名のように銅色で滑らか。近縁種のアオドウガネ,ヤマトアオドウガネなどからは色彩でも区別することができる。体長18~24mm。日本各地のほか,千島列島,中国東北部,朝鮮半島などにも分布する。日中は葉上などで静止しているが,日暮れとともに活動し,土中へ産卵する。また明りにもよく飛来し,とらえると脱糞する習性がある。各種の広葉樹の葉を食し,ブドウ,ウメ,ダイズなどの葉を食することから害虫として知られる。幼虫は土中で根を食して成育するため,シバや苗木が被害をうけることがある。2~3齢で越冬するが,冬季は食物をとることなく深く潜る。多くの個体は翌年の初夏のころ蛹化(ようか),次いで成虫となる。同属のヒメコガネA.rufocupreaは体長が15mm内外。緑色のほか,赤銅色,青藍色と色彩に変化が見られる。ダイズの葉などを食べ荒らすことで知られる。
執筆者:林 長閑
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報