ドラセナ(読み)どらせな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドラセナ」の意味・わかりやすい解説

ドラセナ
どらせな
[学] Dracaena

リュウゼツラン科(APG分類:キジカクシ科)の低木ないし高木。熱帯アフリカを中心に約40種分布し、多くの変種があり、栽培もしやすく、観葉植物の代表的存在である。葉姿がよく似るのでセンネンボク(コルディリネ)と混同され、両者をあわせてドラセナ類とよぶことがある。代表種はデレメンシス・ワーネッキーで、高さ3~4.5メートル、茎に細長い剣状の葉が密生し、葉は緑色地に乳白色の縦縞(たてじま)の斑(ふ)が入る。これよりも大形になるものにフラグランスがあり、高さ6メートル以上で、茎も太く、葉も長くて幅広いものがある。葉がきわめて細長いものにはコンシンネがあり、葉の両縁が赤色となる。高さは1.5~2メートル。葉姿がコンシンネに似る品種に、葉が短く、葉幅が広いサンデリアーナがある。高さ2~3メートル。葉姿が前記のものと違うものにゴッドセフィアナがある。これは株元から細い茎が数本株立ちとなり、葉は丸みがあり、斑点(はんてん)状に黄白色の斑が入る。ドラセナの仲間はこれらのほかに、和名リュウケツジュ(竜血樹)とよばれるドラーコがある。これは高さ20メートルほどになり、樹齢の長い木として有名である。

[坂梨一郎 2019年5月21日]

栽培

小形系は4~5号、中形系は5~8号、大形系は10号以上の鉢に植える。晩春から初秋日陰で管理し、真夏は水を十分に与える。冬は12℃以上とし、斑の鮮やかなものは15℃以上で育てる。繁殖は6~7月、取木か、葉のとれた茎を挿すか伏せる。

[坂梨一郎 2019年5月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドラセナ」の意味・わかりやすい解説

ドラセナ
Dracaena

リュウゼツラン科の木本属で,旧大陸の熱帯に生じる。広い意味のユリ科に入れることもある。ドラセナは属名であって約 50種を含む。この属を代表するものとしてカナリア諸島原産リュウケツジュ (竜血樹)があり,赤色の樹脂 (竜血 dragon's-blood) を染料に使ったので有名である。園芸界ではこの属のうちニオイセンネンボク D. fragransなど数種と,近縁の別属であるコルディリネ (センネンボク) 属 Cordylineの数種をまとめてドラセナの名で呼び,庭木や観葉植物として鉢植などで栽培する。いずれもアフリカやニュージーランド,東南アジアなどの原産で,細長い剣状の葉をもち,葉の落ちたあとの幹は平滑である。特にセンネンボク C. terminalisは,葉が赤や白などの斑 (ふ) を交えるものが多く,観葉植物として広く栽培されている。ハワイではこの葉をティ ti-leavesと称してフラダンスの腰みのに使う。

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