ナマケグマ(読み)なまけぐま(英語表記)sloth bear

翻訳|sloth bear

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナマケグマ」の意味・わかりやすい解説

ナマケグマ
なまけぐま / 懶熊
sloth bear
Indian bear
[学] Melursus ursinus

哺乳(ほにゅう)綱食肉目クマ科の動物。インドスリランカに分布する。毛は長くふさふさした黒で、前胸に白または黄褐色の斑(はん)がある。頸(くび)付近の毛はとくに長く、たてがみ状になる。頭胴長1.6メートル、体重120キログラムに達する。つめが長く鋭い。雑食性で、植物の葉や果実昆虫鳥類の卵などを食べるが、とくにシロアリを好み、突き出した鼻面長いつめで、巣を壊して食べる。また蜂蜜(はちみつ)も食べるため、ミツグマともよばれる。主として夜行性。冬ごもりはしないが、乾期には洞窟(どうくつ)などに隠れるという。

[渡辺弘之]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナマケグマ」の意味・わかりやすい解説

ナマケグマ
Melursus ursinus; sloth bear; honey bear

食肉目クマ科。体長 1.4~1.8m,体高 60~90cm。雄は雌よりはるかに大きい。長い黒色の毛をもち,ことに肩の部分の毛が長い。胸部V字形の白色紋がある。鼻は長く突き出る。昆虫類,卵,果実などを食べるが,特に好んで蜂蜜やシロアリをずるずるとすすり込むように大きな音を立てて食べる。夜行性。インド,スリランカに分布する。

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