ニコルズ(読み)にこるず(英語表記)Mike Nichols

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニコルズ」の意味・わかりやすい解説

ニコルズ
にこるず
Mike Nichols
(1931― )

アメリカの映画監督。ドイツベルリンに生まれる。7歳のとき家族とともにアメリカに渡る。大学を中退して演劇活動に入り、即興芝居の俳優、エンタテイナーとして人気を得たあと、1963年ブロードウェーの演出家となり、ヒット作を次々に生んだ。1966年『バージニアウルフなんかこわくない』で映画監督デビュー。翌年の『卒業』は新しい時代の青春映画として若い世代の圧倒的支持を受けると同時に、アカデミー監督賞を受賞した。その後は『キャッチ22』(1970)、『愛の狩人(かりゅうど)』(1971)、『シルクウッド』(1983)、『心みだれて』(1986)、『ワーキング・ガール』(1988)など。

[宮本高晴]

資料 監督作品一覧

バージニア・ウルフなんかこわくない Who's Afraid of Virginia Woolf?(1966)
卒業 The Graduate(1967)
キャッチ22  Catch-22(1970)
愛の狩人 Carnal Knowledge(1971)
イルカの日 The Day of the Dolphin(1973)
おかしなレディ・キラー The Fortune(1975)
シルクウッド Silkwood(1983)
心みだれて Heartburn(1986)
ブルースが聞こえる Biloxi Blues(1988)
ワーキング・ガール Working Girl(1988)
ハリウッドにくちづけ Postcards from the Edge(1990)
心の旅 Regarding Henry(1991)
ウルフ Wolf(1994)
バードケージ The Birdcage(1996)
パーフェクト・カップル Primary Colors(1998)
2999年異性への旅 What Planet Are You From?(2000)
クローサー Closer(2004)
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー Charlie Wilson's War(2007)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニコルズ」の意味・わかりやすい解説

ニコルズ
Nichols, Mike

[生]1931.11.6. ドイツ,ベルリン
[没]2014.11.19. アメリカ合衆国ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の舞台演出家,映画監督。本名 Michael Igor Peschkowski。シカゴ大学卒業。俳優として舞台に立ったのち,ニール・サイモンの『裸足で散歩』Barefoot in the Park(1963)を演出,認められた。マリー・シスガルの『ラブ』Luv(1964)とサイモンの『おかしなカップル』The Odd Couple(1965)でトニー賞の演出部門の第1位となる。『ラブ』はニューヨーク劇評家賞も受賞。映画の主作品は『バージニア・ウルフなんかこわくない』Who's Afraidof Virginia Woolf?(1966),『卒業』The Graduate(1967,アカデミー賞監督賞),『ワーキング・ガール』Working Girl(1988)など。

ニコルズ
Nicolls, Richard

[生]1624. ベドフォードシャー
[没]1672.5.28.
アメリカ植民地時代初期のイギリス人行政官。ニューヨーク植民地の初代総督 (在任 1664~68) 。イギリス王政復古後の 1664年,ヨーク公によってニューアムステルダム植民地の総督に任命され,4隻の艦隊を率いてニューアムステルダムを封鎖,無血でこれを占領し,ニューヨークと改称して,絶対の権限を握った。彼はオランダからの支配権移行には慎重を期し,公平な行政によって徐々にイギリス系植民地人の自由を拡大していった。 68年辞任して帰国。第3次イギリス=オランダ戦争の際,海戦で戦死。

ニコルズ
Nichols, Peter Richard

[生]1927.7.31
イギリスの劇作家。日常生活の下にひそむ非情さや残酷性を喜劇として描く。代表作『ジョー・エッグの死の一日』A Day in the Death of Joe Egg (1967) ,『国民健康保険』 The National Health (69) ,『受難劇』 Passion Play (81) など。 1982年アヘン戦争を描いたパントマイム風のミュージカル『けし』 Poppyを発表後,劇壇からの引退を宣言した。

ニコルズ
Nichols, John

[生]1745
[没]1826
イギリスの文筆家出版者。『18世紀文人逸話集』 The Literary Anecdotes of the 18th Century (9巻,1812~15) の著者として有名。

ニコルズ
Nichols, Robert

[生]1893
[没]1944
イギリスの詩人,劇作家。東京大学で英文学を講じた (1921~24) 。詩集『熱情と忍耐』 Ardours and Endurances (17) のほか戯曲,小説などがある。

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百科事典マイペディア 「ニコルズ」の意味・わかりやすい解説

ニコルズ

アメリカの映画監督・舞台演出家。ベルリンのユダヤ系家庭に生まれる。1939年ナチスの迫害を逃れて一家でアメリカに移住。1950年代は即興劇の劇団で活動していたが,その後ブロードウェイで演出を手がけるようになる。1966年映画《ヴァージニアウルフなんて怖くない》で監督デビュー,1967年《卒業》でアカデミー監督賞を受賞し,一躍アメリカン・ニューシネマの旗手となった。その後《イルカの日》(1973年),《シルクウッド》(1983年),《ワーキングガール》(1988年)など数々の話題作を監督した。舞台演出家としても高く評価され,トニー賞(7回),エミー賞グラミー賞を受賞,才能を発揮した。

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改訂新版 世界大百科事典 「ニコルズ」の意味・わかりやすい解説

ニコルズ
Robert Malise Bowyer Nichols
生没年:1893-1944

イギリスの詩人,劇作家。オックスフォード大学に学び,第1次大戦中は砲兵隊に従軍,情報省にも勤めた。1921年から24年まで,東京大学英文科の講師として在日。キーツ,パスカル,ウナムノ,ゲーテを愛読し,みずから〈ロマン主義的リアリスト〉〈反時代的保守派〉をもって任じた。詩集に《熱意と忍耐》(1917),《オーレリア》(1920),《私はかく歌った》(1940),戯曲に《罪ある魂》(1922)などがある。
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