ニチニチソウ(読み)にちにちそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニチニチソウ」の意味・わかりやすい解説

ニチニチソウ
にちにちそう / 日々草
[学] Catharanthus roseus (L.) G.Don
Vinca rosea L.

キョウチクトウ科(APG分類:キョウチクトウ科)。ニチニチカ(日々花)ともいう。属名のビンカの名でよばれることもある。マダガスカルジャワ、ブラジルなど熱帯地方原産で、亜熱帯や熱帯地方では半低木性多年草であるが、日本では耐寒性がなく、春播(ま)き一年草として扱う。高さは、匍匐(ほふく)性種で10センチメートル、矮性(わいせい)種で15センチメートル、中・高性種で40~60センチメートル。濃緑色の照葉を対生し、葉腋(ようえき)に径2~3センチメートルの5弁花を開く。花色は桃、白色、白色に赤目のあるものがあり、葉色との対比が美しい。夏の炎天下でも咲き続け、水揚げがよいので切り花に利用するほか、花壇鉢植えにも用いる。公害に強い花として、道路沿いの花壇やプランターとして多く用いられる。

[横山二郎 2021年6月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニチニチソウ」の意味・わかりやすい解説

ニチニチソウ(日日草)
ニチニチソウ
Vinca rosea; Madagascar periwinkle

キョウチクトウ科の一年草。ニチニチカ (日日花) ともいう。西インド原産といわれるが,観賞用として世界各地で栽培されている。茎は高さ 50cmほどで直立し,長さ6~12cmの長楕円形全縁で柄のある葉を対生する。夏から秋にかけて,上部の葉腋に紅紫色または白色の花をつける。花冠の上部は5裂して平らに開き,径2~3cmとなる。各裂片は互いに重なり,下部は細長い筒状になる。果実は細長い莢状の袋果で,中に長い毛のある種子がある。インドでは古くから薬用とされている。ツルニチニチソウ (蔓日日草)淡紫色の花をつけるヨーロッパ原産の同属の種で,子宮出血,腸出血,喀血などの止血剤とされる。

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