ネロール(英語表記)nerol

改訂新版 世界大百科事典 「ネロール」の意味・わかりやすい解説

ネロール
nerol



テルペンアルコールの一つで,ゲラニオール立体異性体である。甘いローズ様のさわやかな香気をもつ無色の油状の液体比重0.88,沸点227℃。アルコール,油に可溶,水にはわずかに溶ける。製法としては,ピネンからミルセンを経て,ネロールとゲラニオールの混合物とし,これからネロールを分離する方法,シトラールを還元して,ネロール(60~70%)とゲラニオールの混合物とし,分取する方法などがある。ネロールはローズ,ミモザ,ライラック,ネロリ,ジャスミンなどの花香タイプの香粧品香料として用い,またストロベリーなどの食品香料フレーバー)に使用する。一般に市販品には20%のゲラニオールを含む。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「ネロール」の解説

ネロール
ネロール
nerol

(Z)-3,7-dimethyl-2,6-octadien-1-ol.C10H18O(154.25).レモングラス,かんきつ油など多くの精油に含まれるモノテルペンアルコール.無色の油状液体.沸点225~226 ℃.0.876.1.474.バラに似た芳香もち香料に用いられる.酸などによりゲラニオールに異性化しやすい.LD50 4500 mg/kg(ラット経口).[CAS 106-25-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネロール」の意味・わかりやすい解説

ネロール
Nellore

インド南東部,アンドラプラデーシュ州南東部の都市チェンナイ (マドラス) 北方約 150km,ペンネル川下流部南岸に位置ゴダバリ川,クリシュナ川下流平野とチェンナイとを結ぶ交通の要地で,商業中心地。精米,搾油,製陶のほか周辺で産する雲母の加工が行われる。カシューのプランテーションがある。人口 31万 6445 (1991) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネロール」の意味・わかりやすい解説

ネロール
ねろーる

ゲラニオール

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のネロールの言及

【バラ(薔薇)】より

…とくにダマスクバラは芳香がよく,現在でも用いられている。主成分としてはゲラニオールgeraniol,シトロネロールcitronellol,フェニルエチルアルコール,ネロールnerol,リナロールlinaloolなどを含む。種や品種によって芳香はさまざまに異なり,ローザ・モスカータは麝香(じやこう)に似た香り,ティー・ローズは紅茶の香り,また果実や薬味風の香りをもつもの,葉にニッケイのようなにおいのあるバラなどがあり,微量精油成分も少しずつ違う。…

【バラ(薔薇)】より

…とくにダマスクバラは芳香がよく,現在でも用いられている。主成分としてはゲラニオールgeraniol,シトロネロールcitronellol,フェニルエチルアルコール,ネロールnerol,リナロールlinaloolなどを含む。種や品種によって芳香はさまざまに異なり,ローザ・モスカータは麝香(じやこう)に似た香り,ティー・ローズは紅茶の香り,また果実や薬味風の香りをもつもの,葉にニッケイのようなにおいのあるバラなどがあり,微量精油成分も少しずつ違う。…

※「ネロール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android