改訂新版 世界大百科事典 「ネロール」の意味・わかりやすい解説
ネロール
nerol
テルペンアルコールの一つで,ゲラニオールの立体異性体である。甘いローズ様のさわやかな香気をもつ無色の油状の液体。比重0.88,沸点227℃。アルコール,油に可溶,水にはわずかに溶ける。製法としては,ピネンからミルセンを経て,ネロールとゲラニオールの混合物とし,これからネロールを分離する方法,シトラールを還元して,ネロール(60~70%)とゲラニオールの混合物とし,分取する方法などがある。ネロールはローズ,ミモザ,ライラック,ネロリ,ジャスミンなどの花香タイプの香粧品香料として用い,またストロベリーなどの食品香料(フレーバー)に使用する。一般に市販品には20%のゲラニオールを含む。
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報