ハイゼンベルク模型(読み)ハイゼンベルクもけい(英語表記)Heisenberg model

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハイゼンベルク模型」の意味・わかりやすい解説

ハイゼンベルク模型
ハイゼンベルクもけい
Heisenberg model

W.ハイゼンベルクが量子力学的考察をもとに強磁性出現のメカニズムを説明する磁性理論において提出した模型。電子間クーロン相互作用のなかの交換エネルギー積分に関する部分を,スピンの向きの関数として 2Js1s2 の形にまとめたもの。その大きさは2つのスピン s1s2 が互いにどのような角度を保っているかで決る。 J係数。おもに絶縁性磁性体の研究に用いられる。これを簡素化したイジング模型では,スピンの代りに2つの値しかとらないベクトルが使用されている。

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