ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハインリヒ獅子公」の意味・わかりやすい解説
ハインリヒ獅子公
ハインリヒししこう
Heinrich der Löwe
[没]1195.8.6. ブラウンシュワイク
ザクセン公 (在位 1142~80) ,バイエルン公 (在位 56~80) 。神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世 (赤髯王)に従ってポーランド,イタリアに戦い,獅子公の称を得た。北部ドイツから東部ドイツへかけて勢力を伸ばし,東部植民を強力に推進した。リューベック市は実質的には獅子公の建設した都市である。しかし彼の勢力拡大欲があまりにも強烈であったため,近隣諸侯の嫉視を招き,やがて皇帝フリードリヒ1世とも対立し,不服従の罪によって失脚,その所領を没収された。獅子公はイングランド王ヘンリー2世の王女を2度目の妃としていた関係上,イングランドに逃れることができ,フリードリヒ没後再起をはかったが失敗した。彼の失脚はドイツ分裂を促進し,ザクセン公の勢力はこれ以後弱体化した。
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