改訂新版 世界大百科事典 「ハスドルバル」の意味・わかりやすい解説
ハスドルバル
Hasdrubal
生没年:?-前221
カルタゴの将軍,政治家。ハミルカル・バルカスの女婿。民衆を後ろだてとし,外交的手腕にも優れていた。前237年ハミルカルとともにスペインに渡り,その死後,将軍に選出されて(前229),カルタゴ・ノウァをたて(前228),原住民との結びつきをはかりつつ,中部スペインまでカルタゴ勢力を伸張させたが,ローマの介入を招いたため,前226年,エブロ条約を結んで,勢力圏をエブロ川の南に限定した。しかし,条約はローマが将来スペインの問題,ひいてはカルタゴの問題に介入・干渉する余地を残した。その5年後,原住民に暗殺された。バルカス家支配による王国建設の意図の有無については,現在賛否両論があるが,否定論の方が強い。
執筆者:長谷川 博隆
ハスドルバル
Hasdrubal
生没年:?-前207
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報