ハルツーム(その他表記)Khartoum

翻訳|Khartoum

デジタル大辞泉 「ハルツーム」の意味・読み・例文・類語

ハルツーム(Khartoum)

スーダン共和国首都白ナイル青ナイルとの合流点にあり、交通の要地。青ナイルの対岸ハルツームノース、および白ナイル対岸のオムドゥルマンとともに都市圏を構成する。綿花などの集散地。1820年頃、エジプトの太守ムハンマド=アリーが建設して象牙奴隷の取引基地となった。人口、行政区232万(2009)。ハルトゥームカルツーム

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精選版 日本国語大辞典 「ハルツーム」の意味・読み・例文・類語

ハルツーム

  1. ( Khartoum ) スーダン共和国の首都。アフリカ北東部、白ナイルと青ナイルの合流点にある。綿花の集散地。また、奴隷の取引地として知られた。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハルツーム」の意味・わかりやすい解説

ハルツーム
Khartoum

アフリカ北東部,スーダン民主共和国の首都。アラビア語でal-Kharṭūm。人口95万(2003)。ウガンダから流れる白ナイルとエチオピアからの青ナイルの合流点にあり,隣接するハルツーム・ノース(人口87万9000,1993),オムドゥルマンとはそれぞれ橋と道路で結ばれる。政治・経済の中心地はハルツーム地区である。1820年エジプトのムハンマド・アリーによって建設され,ナイル航路の港として象牙・奴隷貿易等でにぎわった。1885年ジハードを叫んで立ち上がったマフディー派の軍は,ゴードンCharles George Gordon(1833-85)将軍の率いるイギリス軍をハルツームにせん滅し,同地を占拠したが,1898年イギリスのキッチナー将軍によって町は占領・再興されイギリス式の町並みに整備された。ゴードン将軍が戦死した元総督府は,1956年独立後は大統領府となっている。

 住民はほとんどがイスラム教徒スンナ派)のアラブであるが,肌は褐色,丸顔でヌビア人に近い。南部出身の黒人やエリトリアチャド,ウガンダからの難民の流入が増加している。イスラム教徒の中でマフディー派(アンサール派)が有力な政治勢力となっている。気候は年間を通じて暑く乾燥し,平均気温28.7℃,夏季は屋外は50℃を超え,毎日のようにハブーブという砂嵐が突風と共に襲来する。物資不足が深刻で生活条件はきわめて厳しい。市内には歴史博物館,民俗学博物館,動物園等の名所がある。ハルツーム大学(旧ゴードン・メモリアル・カレッジ)には8800人の学生が学ぶ。大統領府がある青ナイル沿いの通りは,よく茂った並木が涼風を運び唯一の散歩道である。市の南側に新興住宅街が延びている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハルツーム」の意味・わかりやすい解説

ハルツーム
Khartoum; Al-Khurtūm

スーダンの首都で,政治,経済の中心地。名称は「ゾウの体」を意味するアラビア語に由来。 1820年ムハンマド・アリーによって建設された。 1885年マフディー派によって破壊され,1898年以後イギリスのキッチナー将軍が,ブルーナイル川左岸,ホワイトナイル川との合流点の付近に新市街を建設した。 1956年まで,イギリス=エジプト領スーダンの政庁所在地となり,スーダン独立後首都となった。世界有数の暑熱の国スーダンのなかでも気温の高い都市で,6月の平均気温は 33.7℃,冬でも 23℃前後である。ポートスーダン,ウバイド,アスワン地方からの鉄道が通じ,河川交通の中継地ともなっている。大手商社の本社や,繊維,アラビアゴム,ガラス,印刷,農産物加工など国内生産物の加工工場の所在地として発展した。ブルーナイル川を渡ったところにはハルツームバフリーがあり,工業地区が形成された。美しい街路樹の植えられた市街には,宮殿,官庁,大学などの建物や,多くの宗派の聖堂やモスクが建てられている。国際空港がある。人口 141万858(2008)。

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百科事典マイペディア 「ハルツーム」の意味・わかりやすい解説

ハルツーム

スーダン共和国の首都。同国中部,白ナイルと青ナイルの合流点にあり,鉄道,舟運,商業の中心地。大学(1956年創立)がある。1820年代にエジプトのムハンマド・アリーが創設。1885年英国のゴードン将軍を,ジハードを唱えるイスラム勢力マフディー派の指導者ムハンマド・アフマドがこの地で破って占領。1898年英国が再び占領して近代的市街が建設された。141万858人(2008)。→ハルツーム・ノース
→関連項目スーダン

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ハルツーム」の解説

ハルツーム
al-Khurṭūm[アラビア],Khartoum[英]

スーダンの首都。都市としての起源は,スーダン地方を征服したエジプトのムハンマド・アリー朝軍が,1824年ナイル川のほとりの小村を支配の基地として定めたことにある。マフディー派の支配期には衰退と破壊が進んだが,20世紀になり復興された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルツーム」の意味・わかりやすい解説

ハルツーム
はるつーむ

ハルトゥーム

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世界大百科事典(旧版)内のハルツームの言及

【ドイツ】より

…ここでは山地や低地,河川の方向によって示される構造に系統性がある。それらは,オーバーライン地溝によるほぼ南北(ライン)方向,ハルツ山地による南東~北西(ハルツまたはズデーテン)方向,およびライン片岩山地またはエルツ山脈による南西~北東(バリスカンまたはエルツ)方向である。より大局的には,西はアルデンヌ高原から東はポーランド中山山地に連続する中部ヨーロッパ中山山地の一部をなしている。…

※「ハルツーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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