翻訳|Khartoum
アフリカ北東部,スーダン民主共和国の首都。アラビア語でal-Kharṭūm。人口95万(2003)。ウガンダから流れる白ナイルとエチオピアからの青ナイルの合流点にあり,隣接するハルツーム・ノース(人口87万9000,1993),オムドゥルマンとはそれぞれ橋と道路で結ばれる。政治・経済の中心地はハルツーム地区である。1820年エジプトのムハンマド・アリーによって建設され,ナイル航路の港として象牙・奴隷貿易等でにぎわった。1885年ジハードを叫んで立ち上がったマフディー派の軍は,ゴードンCharles George Gordon(1833-85)将軍の率いるイギリス軍をハルツームにせん滅し,同地を占拠したが,1898年イギリスのキッチナー将軍によって町は占領・再興されイギリス式の町並みに整備された。ゴードン将軍が戦死した元総督府は,1956年独立後は大統領府となっている。
住民はほとんどがイスラム教徒(スンナ派)のアラブであるが,肌は褐色,丸顔でヌビア人に近い。南部出身の黒人やエリトリア,チャド,ウガンダからの難民の流入が増加している。イスラム教徒の中でマフディー派(アンサール派)が有力な政治勢力となっている。気候は年間を通じて暑く乾燥し,平均気温28.7℃,夏季は屋外は50℃を超え,毎日のようにハブーブという砂嵐が突風と共に襲来する。物資不足が深刻で生活条件はきわめて厳しい。市内には歴史博物館,民俗学博物館,動物園等の名所がある。ハルツーム大学(旧ゴードン・メモリアル・カレッジ)には8800人の学生が学ぶ。大統領府がある青ナイル沿いの通りは,よく茂った並木が涼風を運び唯一の散歩道である。市の南側に新興住宅街が延びている。
執筆者:塩尻 和子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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スーダンの首都。都市としての起源は,スーダン地方を征服したエジプトのムハンマド・アリー朝軍が,1824年ナイル川のほとりの小村を支配の基地として定めたことにある。マフディー派の支配期には衰退と破壊が進んだが,20世紀になり復興された。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…ここでは山地や低地,河川の方向によって示される構造に系統性がある。それらは,オーバーライン地溝によるほぼ南北(ライン)方向,ハルツ山地による南東~北西(ハルツまたはズデーテン)方向,およびライン片岩山地またはエルツ山脈による南西~北東(バリスカンまたはエルツ)方向である。より大局的には,西はアルデンヌ高原から東はポーランド中山山地に連続する中部ヨーロッパ中山山地の一部をなしている。…
※「ハルツーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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