イギリスの発明家。ジェニー紡績機の発明(1764年ごろ)で知られる。1720年ごろランカシャー北東部オズワルドトゥイスル地区に生まれ、同地方で織布工となり、1768年にノッティンガム移転、1778年4月に没するまで同地で労働者約100人の紡績工場を経営したが、企業家としてはさほど成功しなかった。初期のジェニーは、わずかに傾斜して並列する十数個の紡錘に手動の動力車からベルトで回転運動を伝え、同時に一端を紡錘に固定した粗糸を2枚の木片で保持、これを台枠上を水平に移動し、粗糸を伸ばしつつ撚(よ)りをかけ、次に足で操作する装置で糸を誘導し、回転している紡錘に巻き取るもので、従来の紡車と同様の手工業的熟練を要する点で道具から機械への過渡的形態とみなされる。人力以外の動力の適用が困難、横糸用の糸の生産にのみ適するなどの限界はあったが、紡績工1人で同時に少なくとも十数本の糸が生産され、生産性の向上を可能にした。1770年にいったん取得した特許は無効とされ、ハーグリーブスは発明からの利益を失ったが、ジェニーは急速に普及した。綿紡績業では1790年以降、主力機種の地位を水力紡績機、ミュールに譲ったが、羊毛工業では長く使用された。「ジェニー」の名称は発明者の娘の名にちなむと誤って伝えられるが、「エンジン」の転訛(てんか)したものとするのが正しい。
[水野五郎]
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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