紡車(読み)ボウシャ(その他表記)spinning wheel

翻訳|spinning wheel

デジタル大辞泉 「紡車」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐しゃ〔バウ‐〕【紡車】

糸をつむぐ車。糸繰り車。

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精選版 日本国語大辞典 「紡車」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐しゃバウ‥【紡車】

  1. 〘 名詞 〙 糸をつむぐ車。いとくりぐるま。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕 〔劉銑‐野人家詩〕

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改訂新版 世界大百科事典 「紡車」の意味・わかりやすい解説

紡車 (ぼうしゃ)
spinning wheel

糸を紡ぐ装置で,〈つむぐるま〉〈つむぎぐるま〉とも呼ばれる。紡錘車より進歩したもので,インドで発明され,西アジアを経て中世にはヨーロッパにも普及したといわれているが,中国でも前100年ころには使用されていたようである。細い鉄の棒(紡錘車の回転軸に相当するつむ(紡錘))に小さな滑車をつけ,この軸が回転できるよう木製の台に水平に固定し,この滑車と別にとりつけた大きな滑車との間にひもをかけてある。大きな滑車を手で回して紡錘を高速で回転し,紡錘の先にとめてある繊維束を他方の手で軸方向に引っ張りながら撚り(より)をかける。その後で糸の方向を軸と直角にし,滑車を回して糸を巻き取り,以後これを繰り返す(繊維塊から繊維を引き出して繊維束を作りながら紡ぐこともできるが,あらかじめくしけずって繊維束を作っておくようになった)。図の左はジャージー紡車Jersey spinning wheelである。その後,中国では多錘型,足踏式へと発展し,ヨーロッパでは16世紀に足踏式のサクソニー紡車が考案された。これは現在のフライヤーと同様な原理で撚りをかけながら連続的に糸を巻き取るもので,すでにレオナルド・ダ・ビンチの手稿中にも描かれている。糸はフライヤーといっしょに回転し,1回転で一つの撚りがかかり,ボビンとの回転数の相違により糸が巻き取られる。サクソニー紡車ではフライヤーの突起を利用して手で糸の位置を変え,レオナルド・ダ・ビンチのものは手回しであるが,同時に2錘を動かし,レバーが自動的に移動して巻き取る位置を変える。日本では明治初めまで初期の紡車が広く使用された。
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百科事典マイペディア 「紡車」の意味・わかりやすい解説

紡車【ぼうしゃ】

〈つむぎぐるま〉〈つむぐるま〉とも。スピンドル(錘)を回転させる大きな車を備えた紡績装置。インド起源といわれるが,14世紀ごろ欧州で使われたジャージー紡車は,片手で車を回し他の手で糸を延伸,加撚し,紡績と巻取を交互に行った。16世紀に発明されたサクソニー紡車は,足踏みで車を回転させ,スピンドルにはボビンと糸を導く腕(フライヤー)を取り付け,加撚と巻取がこれによって同時に行われ,紡績能率を大いに向上させた。→紡錘車
→関連項目紡績

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普及版 字通 「紡車」の読み・字形・画数・意味

【紡車】ぼう(ばう)しや

糸くりの車。宋・陸游〔初寒、隣曲に示す〕詩 叢(てきそう)缺くる處、漁火を見る 閉(とざ)せる時に、紡車を聞く

字通「紡」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の紡車の言及

【紡車】より

…その後で糸の方向を軸と直角にし,滑車を回して糸を巻き取り,以後これを繰り返す(繊維塊から繊維を引き出して繊維束を作りながら紡ぐこともできるが,あらかじめくしけずって繊維束を作っておくようになった)。図の左はジャージー紡車Jersey spinning wheelである。その後,中国では多錘型,足踏式へと発展し,ヨーロッパでは16世紀に足踏式のサクソニー紡車が考案された。…

【紡車】より

…その後で糸の方向を軸と直角にし,滑車を回して糸を巻き取り,以後これを繰り返す(繊維塊から繊維を引き出して繊維束を作りながら紡ぐこともできるが,あらかじめくしけずって繊維束を作っておくようになった)。図の左はジャージー紡車Jersey spinning wheelである。その後,中国では多錘型,足踏式へと発展し,ヨーロッパでは16世紀に足踏式のサクソニー紡車が考案された。…

※「紡車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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