翻訳|biotron
生物の飼育培養装置の一種。装置内部の温度、湿度、光、気圧、風速などを調節して、生物の生存と繁殖に必要な基本的環境条件を人工的につくりあげ、生物の研究を大規模に行うものである。バイオトロンには、自動的にこれらの条件が制御できる装置とそのプログラムが内蔵されており、生物を一定の環境条件のもとで飼育して、その生育を研究するのに多用される。植物の生育に用いるファイトトロン、昆虫の飼育に用いるインセクトロン、菌類の培養に用いるファンジトロンなど、対象とする生物によって呼び名が異なる。生物の生活条件は、多細胞生物になるほど複雑に入り組んでいるため、現在では物理的条件の規制が研究の主となっている。なかでも植物の研究が中心となっており、梅雨時の気象条件による植物病の研究、イネの多収穫法の研究などがある。このほか、気圧や湿度と血圧、心臓病、アレルギーとの関係などについての医学的な研究も試みられている。
[吉田精一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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…植物用のもので小型のものはグロースキャビネットgrowth cabinetあるいはグロースチェンバーgrowth chamberなどとよばれる。動植物用はバイオトロンbiotron,動物用はズートロンzootron,水産動物用はアクアトロンaquatronなどとよばれる。そのほか人間の生理研究用のもの,あるいは公害の影響を解析するためのものなどもある。…
※「バイオトロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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