植物病(読み)しょくぶつびょう

百科事典マイペディア「植物病」の解説

植物病【しょくぶつびょう】

植物の病気で,特に樹木の病気の場合には樹病と呼ぶ。植物病は,農業生産や生態環境を著しく損なうことによって,人類の生存と地球の環境を脅かす。歴史上有名な19世紀のアイルランドの大飢饉(ききん)は主食であったジャガイモに疫病が大発生したことによるが,現在でも毎年,全世界の農作物生産の約1割が病気によって失われていると推定されており,日本だけでもイネのいもち病をはじめとして有用植物の病気が約6000種類知られている。植物の病気には伝染病と非伝染病があるが,人間にとって問題となるのは伝染病である。植物の伝染病には植物ウイルス病植物菌類病植物細菌病があり,菌類病が全体の約7割を占め,ほかに植物線虫病がある。これらの病気の防除には,現在,主として農薬が使用されているが,抵抗性品種の育種も重要な防除手段となっている。
→関連項目植物病理学

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「植物病」の解説

植物病
しょくぶつびょう
plant diseases

植物が真菌類,たとえばサビキン (銹菌) などによって侵されることはかなり古くから知られてきた。その後,細菌類にも病原性のものがあることが知られ,線虫のような土壌生の小動物のウイルスによる病気も発見されるようになった。これらのほかに,生物的な原因によらない病気,たとえば水分条件の異変,遺伝的変異なども含めて,植物の病的状態すべてを合せたものが広義の植物病である。

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