バイト(読み)ばいと(英語表記)byte

翻訳|byte

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイト」の意味・わかりやすい解説

バイト(工作機械)
ばいと
cutting tools

旋盤、形削り盤、平削り盤、立て削り盤、中ぐり盤などの工作機械で使用される切削工具。基本的には刃部とシャンク部によって構成され、構造による分類、形状による分類、機能または用途による分類が可能である。バイトの刃部の材質には、高速度鋼、超硬合金サーメットセラミックスCBN立方晶窒化ホウ素)などがある。高速度鋼での切削速度の限界は30メートル毎分程度であったが、セラミックス、CBNなどでは1000メートル毎分の高速切削が可能となり、従来不可能であった難削材の加工も行うことができる。

 鋼材を旋盤で削ると、切屑(くず)が切れずに連続して排出され、刃物台や工作物に絡まり、刃物や工作物に損傷を与えるので、バイトの刃部にチップブレーカーを設け、強制的に切屑を分断している。このチップブレーカーは切屑処理対策として重要な役割を果たしており、刃部のスローアウェー(使い捨て)化に伴って、いろいろな形状のブレーカーがつくられている。

[清水伸二]



バイト(コンピュータ)
ばいと
byte

コンピュータで使われる情報量の単位の一つ。通常は8ビットで1バイトである。たとえば、1バイトでアルファベット、数字、カナなどの半角文字が表示でき、日本語の漢字や全角文字は2バイトで表示する。そのため日本語は2バイト文字とよばれる。

 情報量によってキロバイト(KB)、メガバイト(MB)、ギガバイト(GB)、テラバイト(TB)、ペタバイトPB)、エクサバイト(EB)、ゼタバイト(ZB)、ヨタバイト(YB)とよばれる。1KBは1024バイト、1GBは1024MB、1TBは1024GBと1024倍ごとに単位が上がっていく。これらの単位は、デジタルカメラのメモリーカードや、コンピュータのハードディスクの記憶容量としてよく使われる。

[編集部 2016年6月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイト」の意味・わかりやすい解説

バイト
single point tool; cutting tool

柄 (シャンクという) の先端に切刃をもった切削工具の総称で,旋盤,形削り盤,中ぐり盤,平削り盤などの刃物として用いる。工作物の形状,加工内容,材質などに応じて各種のバイトが製作されている。しかし構造的には,(1) 切刃部とシャンクが一体で,同一材料から成るむくバイト (完成バイトなど) ,(2) シャンクにチップ (切刃の小片) をろうづけしたつけ刃バイト,(3) シャンクにチップを機械的に固定したクランクバイトに大別できる。切刃部は高温になるので,材料には,高温でも硬度が高くて耐摩耗性に富む炭素工具鋼,合金工具鋼,高速度鋼,超硬合金,セラミック,ダイヤモンドなどが用いられる。なお,バイトという用語は,オランダ語のバイテル bietelから転訛したといわれている。

バイト

ビット」のページをご覧ください。

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