骨牌(読み)コッパイ

デジタル大辞泉 「骨牌」の意味・読み・例文・類語

こっ‐ぱい【骨×牌】

カルタ
獣骨で作ったマージャン

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精選版 日本国語大辞典 「骨牌」の意味・読み・例文・類語

カルタ【骨牌・歌留多】

  1. 〘 名詞 〙 ( [ポルトガル語] carta )[ 異表記 ] カリタ( 「カルテ」「カード」と同源 ) 遊びまたはばくちに使う、絵や文字を書いた長方形の札。絵や歌に合わせてこの札を取り、その取った数によって勝負をきめる。いろはガルタ、うたガルタ、西洋カルタトランプ)、ウンスンカルタ、はなガルタ(花札)、むしゃガルタなどがある。現在、いろはガルタ、うたガルタ、はなガルタをさすことが多い。牙牌(がはい)。《 季語新年
    1. [初出の実例]「博奕、カルタ、諸勝負令停止」(出典:長宗我部氏掟書(1596)三条)
    2. 「女づれの西洋画家と、つれの一人とがまだカルタを引いてゐた」(出典:桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉一)

こっ‐ぱい【骨牌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. カルタ。〔音訓新聞字引(1876)〕〔紅楼夢‐第四〇回〕
  3. 獣骨などで作った麻雀用の牌。

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改訂新版 世界大百科事典 「骨牌」の意味・わかりやすい解説

骨牌 (かるた)

室内遊戯具の一種。歌留多とも書く。語源はポルトガル語のカルタcarta(英語ではカードcard)。日本には外来のカルタの流れをひく,おもに賭博に使われるかるた(花札など)と,古来の貝覆(かいおおい)の流れをひく,おもに教育を目的とするかるた(《小倉百人一首》など)とがある。なお,西洋かるたをトランプtrumpと通称するが,トランプは正しくは西洋かるたの切札のことをいう。

16世紀後半に初めてポルトガル人が日本に持ち込んだと考えられるカルタは,今日のトランプとは別のもので,ハウ(棍棒),イス(剣),コップ(聖杯),オウル(貨幣)の4種がそれぞれ1から12まであって,合計48枚から成り,1の札に竜,10に女従者,11に騎士,12に王がそれぞれ描かれている。この外来のカルタを模して国産かるたが作られるようになり,これは後に〈天正かるた〉と呼ばれた。1の札はピン,12の札はキリと呼ばれ,〈ピンからキリまで〉の言葉は,ここから出たといわれる。初めは上流階級の間で遊ばれたが,17世紀前半以降は一般庶民にまで流行し,おもに賭博に用いられた。そのため江戸幕府は再三再四禁令を出しているが,効果はなかった。その技法は,よみ,かう(後のかぶ),めくりなど種々生まれて,天正かるたはその技法によって,〈よみかるた〉〈めくり札〉などと呼ばれた。また個々の札の絵柄や呼称も,時代的に著しく変化している。かぶ専用に作られた〈かぶ札〉や,幕府の公認かるたとして考案されたといわれる〈うんすんかるた〉も,天正かるたの一変種である。庶民の生活に密着したこれらのかるたは,川柳や黄表紙をはじめとして,あらゆる分野の江戸文学に登場している。なお,これらのかるた類が全面的に禁止された寛政改革後,代わって登場したのが〈花札〉である。花鳥風月を描いた純日本的な絵柄となったが,天正かるたの形式や技法を,そのまま踏襲しているため,間もなく他のかるた類とともに禁止された。しかし,これらのかるた類は社会裏面に潜行し,明治になって解禁された後も生き続けた。しかし,時代がすすむにつれて,他の新興の遊戯類の流行と繁栄に押されてしだいに消滅し,今日では,花札,かぶ札,それに〈てほんびき〉に用いられる札などを残すのみとなった。なお,1902年に施行された骨牌税が57年トランプ類税となり,トランプ,花札,かぶ札など一定範囲のものを国内で販売するときには税金が課せられる。

平安時代から行われた貝覆は,江戸時代初期になって天正かるたの影響をうけて,従来の貝殻から紙製に変わり,〈歌がるた〉〈絵合せかるた〉が生まれたと考えられる。前者は和歌を教えるのを目的とし,歌の上の句と下の句を合わせるもので,多くの和歌集から作られたが,その代表的なものは《小倉百人一首》である。後者は博物,社会などの知識を教えるのを目的とし,一対の絵や,絵と文字とを合わせるもので,多くの種類のものがある。その他,詩,狂歌,たとえ,俳句などのかるたも作られた。〈いろはかるた〉は,〈たとえかるた〉から生まれたものと考えられる。これらの多くは,字札と絵札とを合わせるもので,歌がるたと絵合せかるたを折衷したものといえる。なお,教育系かるたが賭博化したものに,〈むべ山かるた〉〈道才かるた〉がある。前者は《小倉百人一首》を,後者はたとえかるたを,それぞれ賭博専用のかるたとしたものである。教育系かるたで今日なお普及しているものは,《小倉百人一首》,いろはかるたなどである。
いろはかるた →歌がるた →花札
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骨牌 (こっぱい)
gǔ pái

中国において,象牙,獣骨,角などで作った札のゲーム。〈牙牌〉ともいう。欧米のドミノに似る。長さ3cmほどの長方形の牌の片面に,赤,緑,白のさいころの目が上下二つ刻まれ,12点の天牌2枚から2点の地牌2枚まで全部で32枚。そろえた点数を見せ合い優劣を競ったり,同点数を順につなぎ並べて遊び賭ける。占いにも使う。宋の司馬光の考案とも,1120年(宣和2)に作られ,南宋の高宗のときに普及したともいう。
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世界大百科事典(旧版)内の骨牌の言及

【いろはかるた】より

…古くは,いろは・たとえ・かるたと呼ばれ,いろは48文字をそれぞれ頭字とする〈たとえ(ことわざ)〉を選び集めたかるた。以呂波骨牌(歌留多)とも書く。…

【賭博】より

…そして《板倉氏新式目》はついに博奕を本質的に〈盗み〉そのものと断じており,1520年(永正17)の近江今堀の掟のように村法にも博奕,博奕宿の禁制が見いだされるようになる。その反面,賭博を遊戯として楽しむ人々は〈狂言歌謡〉に正月のかるた,将棋,すごろく,丁半が〈よい物〉といわれた通り,子ども,女性をはじめ,むしろさらにその範囲を広げた。また,鎌倉時代から博奕はしばしば〈野山中〉で打たれ,道や辻,河原や市庭(いちば)がその場となったが,祭りの日の寺社の境内など,特定の場ではこの時期も賭博は公然と行われたものと考えられる。…

【花札】より

…かるたの一種。古くは,〈花かるた〉〈花合(はなあわせ)〉〈武蔵野〉などと呼ばれた。…

※「骨牌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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